今年もまた、とんでもない熱量のコンクールが一つ幕を閉じました。
エリザベート国際ピアノコンクール2025、アーカイブの配信を見たり・・・時にはリアルタイムで追いかけながらアガサも楽しませていただきました♪
ピアノって、音楽って、こんなにも人の心を揺さぶるものなんだと改めて実感することができた1ヶ月。
審査の結果がどうであれ、今大会ではそれぞれ一人一人の演奏にストーリーがあり、個性があり、感動がありました。
この記事では、全体の振り返りとして、印象に残った方々や感じたことをまとめてみたいと思います。
ファイナルの感想は、以下の記事に書いていますので、こちらではあくまで全体の雰囲気や印象を中心にお届けします。

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アガサ
このブログの運営者及び管理人
3歳からピアノを始め、クラシック音楽歴は30年以上。結婚・出産を経て育児の合間にピアノを再開し、念願のグランドピアノも迎えました。
現在はピアノ教室向けのグラフィックデザイナーとして、全国の先生方をサポートしています。
ピアノとクラシックをこよなく愛する主婦が、音楽やピアノにまつわる情報を気ままに発信中です♪
- エリザベート国際コンクールの感想が知りたい
- 今後注目の若手ピアニストを探しているクラシックファンの方
エリザベート国際コンクールとは? 〜簡単に振り返り〜

エリザベート王妃国際音楽コンクール(通称エリコン)は、ベルギーで開催される世界屈指の権威あるコンクールのひとつ。
ヴァイオリン、声楽、チェロ、ピアノと4部門でローテーション開催されており、ピアノ部門は4年に1度。
2025年はピアノ部門の開催年でした^^
予選→セミファイナル→ファイナルという流れで、最終的に12名のファイナリストが選ばれ、ブリュッセルでオーケストラとの協奏曲を披露しました。
ファイナルの感想記事で解説していますが、国際コンクールの中でもトップに厳しい環境下の中で戦い抜く必要がある、非常にレベルの高いコンクールです。
コンクールの結果
以下が、今回のコンクールの入賞者および入選者です!
- Nikola Meeuwsen(オランダ)
- 久末航(日本)
- Valere Burnon(ベルギー)
- Arthur Hinnewinkel(フランス)
- 亀井聖矢(日本)
- Sergey Tanin(ロシア)
【入選】吉見友貴(日本)、Nathalia Milstein(フランス)、Rachel Breen(アメリカ)、Jiaxin Min(中国)、桑原志織(日本)、Mirabelle Kajenjeri(フランス)
なんと!前回大会に引き続き、日本人2人が入賞するという快挙♪
個人的に心に残った方4名

第1次予選〜ファイナルまで、本当に素晴らしい演奏者の方々ばかりだったのですが、その中でも特に印象に残った方を4名ご紹介します!
- 中川優芽花さん(日本)
- Jiaxin Min(中国)
- 亀井聖矢(日本)
- 久末航(日本)
以下で、お一人ずつ語っていきます^^
中川優芽花さん(日本)
中川さんの演奏を初めて聴いたのは、先日行われたショパン国際ピアノコンクール予備予選。
あのときから一気に惹き込まれ、すっかりファンになっていました^^

今回のエリザベートでも、その魅力は健在でしたね〜。
第1次予選では、ショパコン予備予選でも披露されていたスケルツォ第3番とエチュードOp.10-8を再び演奏。
まろやかで美しい音色に加えて、音の奥行き・深みがやはり絶妙で素晴らしい!
ラフマニノフ「音の絵」の表現も、圧巻。
セミファイナルでは、シューマンの幻想小曲集Op.12に心を奪われ、プロコフィエフのソナタ第3番では圧巻の集中力。
さらにモーツァルトのコンチェルトでも、繊細さと芯の強さを併せ持った素晴らしい演奏を聴かせてくれました。
惜しくもファイナル進出は叶いませんでしたが、個人的にはファイナルで、中川さんのコンチェルト聴きたかったです(;;)
また10月からのショパン国際ピアノコンクールの本大会でも拝見できるので、楽しみにしています!
Jiaxin Min(中国)
今回のエリザベート国際コンクールで初めて出会ったピアニストでしたが、本当に素晴らしい演奏家でした。
第1次予選から、どこか惹きつけられるものがあって、自然と印象に残っていた方。
セミファイナルでは、ブゾーニのソナチネとベートーヴェンのソナタという、異なる2つの作品を並べながらも、対比が絶妙で見事に聴かせてくれました。
そしてファイナルでは、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を披露。
今回は4人のファイナリストがこのプロコの3番を取り上げていたのですが、その中でも個人的にいちばん心に残った演奏でした。
完成度の高さはもちろんのこと、演奏全体にしっかりと個性があって、ただ上手いだけじゃない“惹き込まれる力”がありました。
正直、入賞するだろうと思っていたので結果には少し驚きましたが、今後の活躍がとても楽しみなピアニストです!
亀井聖矢(日本)
言わずもがな、アガサがずっと応援しているピアニスト、亀井聖矢さん。

もちろん今回も語らせていただきます。(短めに!)
第1次予選では、ベートーヴェンのソナタから始まり、ショパンの「木枯らし」、リストの「雪あらし」、バラキレフの「イスラメイ」という、亀井さんの魅力が存分に発揮されるプログラム構成。
これを選んでくれた審査員の方々には本当に感謝したいくらいでした。
特に「イスラメイ」は亀井さんの十八番とも言えるレパートリーで、落ち着きと自信をもって演奏されていたのがとても印象的でした。
セミファイナルでも、リサイタルのように聴き応えのある内容で、ラストのリスト「ノルマの回想」では圧巻の畳み掛け。
これぞ“魅せるピアニスト”という演奏でした。
ファイナルでは、彼にとって大切な“相棒”とも言えるサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番を選択。
攻めの演奏ではありましたが、それをしっかりと自分のものにしていて、印象深いステージでした。
結果は5位入賞。
素晴らしい成績ですが、ご本人としては悔しい部分もやはりあったのではないかと思います。
ですがご本人は「やりきったので悔いはない」と仰っているので、ファンとしても良かった!とホッとしました。
そしてインタビューでは「これでコンクールに出るのは最後にして、今後は自分の音楽を追求したい」と語っていた亀井さん。
その言葉の裏にあった覚悟と努力を思うと、胸が熱くなります。
これからも、彼らしい音楽で世界を魅了していってほしい。
そう強く願っています!
アガサこれからも、応援しています!
久末航(日本)
久末航さんは、正直なところ今回のエリザベート国際コンクールで初めて知ったピアニストでしたが、「こんな素晴らしい方を知らずに過ごしていたなんて」と思うほど、深く感動させられました。
第1次予選では、ちょうど私(アガサ)が今練習中のベートーヴェンのソナタ第5番からスタート。
「なるほど、こういう弾き方もあるのか」と新たな発見があり、学びながら聴いていました(笑)。
演奏後に思わず拍手が起こったのも納得です(通常は全曲終わってから拍手)。
その後に続くリゲティのエチュードは、技術だけでなく音楽性の高さが際立ち、完全に心を鷲掴みにされました。
ドビュッシーのエチュードやシマノフスキ「シェヘラザード」も圧倒的に美しく、日本人らしからぬ大胆さと繊細さを併せ持つ演奏にただただ驚きました。
セミファイナルでは、さらに色彩豊かな音楽を展開。
バルトークは衝撃的な表現力で、そこからの「熱情」ソナタへとなだれ込む構成も見事。
もはや圧巻としか言いようがありません。
ベートーヴェンの印象が少し変わってしまうほどに、奥深く繊細で熱のこもった素晴らしい演奏でした。
ファイナルでは、堂々たるブラームスのピアノ協奏曲第2番。
そして新曲課題では、「この曲はこう弾くのが正解だったのか」と納得できるような完成度。
誰かのお手本を聴いているわけではない中で、あそこまで音楽の本質を掴みきった演奏ができる久末さん、本当にすごい!
結果は第2位という快挙。
真摯な人柄がそのまま音に表れているような誠実で美しい演奏で、まさに“納得の入賞”だったと思います。
今回の出会いに感謝するばかりです。ありがとう!久末さん!
コンクールという舞台の厳しさと多様性


今回のエリザベート国際ピアノコンクールを通して、改めて強く感じたのは「国際コンクールという舞台の難しさと奥深さ」。
ピアニストたちの演奏は、どれもが高水準で、感動的な音楽体験を何度も味わわせてくれました。
ですが結果として現れる順位には、単に演奏の良し悪しだけでは語れない多様な要素が絡んでいることを痛感します。
たとえば「選曲の巧みさ」や「審査員との相性(好み)」、「国や地域ごとの音楽的美意識の違い」など。
こうした要因が組み合わさることで、評価が思いもよらない方向へ動くことも少なくありません。
どれだけ素晴らしい演奏でも、審査員に響かなければ上位に入れないことがある。
逆に、強く個性が伝わった演奏が高く評価されることもある。
これは一見、理不尽にも思えますが、逆にいえばそれだけ“音楽のとらえ方に多様性がある”ということでもあります。
だからこそ、私たち聴き手は「順位だけで演奏の価値を決めない目」を持ち続けたいなと、改めて感じました。
そして何より、この“世界一過酷なコンクール”とも言われるエリザベート王妃国際音楽コンクールという舞台で、全力の演奏を見せてくれたすべての参加者に、心からの敬意を送りたいです。
凄まじい精神力、集中力、そしてピアノに向かう力がなければ、あのステージには到底辿り着くことはできません。
素人の私でさえ、想像するだけで体調を崩しそうになるほどです(笑)。
生半可な気持ちでは到底挑めない、過酷な環境のなかで見せてもらった熱く、真剣な音楽の応酬——この1か月、本当に幸せな時間を過ごさせてもらいました。
コンテスタントの皆様、本当にありがとう!
まとめ


こうして振り返ってみると、本当に濃密で、贅沢で、そして感動に満ちた1か月間でした。
数々の名演、知らなかった才能との出会い、そして予想を超えるドラマの数々——
まさに、音楽を愛するすべての人にとっての“祝祭”だったと思います。
結果の如何にかかわらず、12人のファイナリスト、そしてそれまでのすべてのステージで演奏してくれたピアニストの皆さんに、盛大な拍手を送りたいです。
これほど過酷で、しかしだからこそ美しい舞台に挑んだすべての方の演奏が、心に深く刻まれています。
今回のコンクールで得た感動や発見を胸に、これからも応援を続けていきたいと思いますし、今後の彼らの活躍を見守っていくのが楽しみでなりません♪
素晴らしい音楽の旅を、ありがとうございました(;;)!











