10月18日から第19回ショパン国際ピアノコンクールのファイナル（本選）が始まりましたがついに最終日です！
10月3日から始まった本大会もついに終わりを迎えます。
今日は、リアルタイムで頑張って起きて見ました！！！
このブログでは、予備予選・第１次予選・第２次予選・第３次予選のときと同じく、すべての演奏者の感想や印象を綴っていきます。
あくまで個人の感想ではありますが、演奏の魅力や気になったポイントをできるだけ丁寧に記録していくつもりです。
世界最高峰の舞台で繰り広げられる若きピアニストたちの演奏を、ぜひ一緒に楽しんでいただければ嬉しいです。
今回は、10月20日開催の3日目（最終日）の感想です♪
予備予選：2025年4月23日（水）〜2025年5月4日（日）
予備予選通過者発表：5月6日（火）17時30分（現地10時30分）配信あり
開会記念コンサート：10月2日（木）
1次予選：10月3日（金）〜10月7日（火）
2次予選：10月9日（木）〜10月12日（日）
3次予選：10月14日（火）〜10月16日（木）
本選：10月18日（土）〜10月20日（月）
上記は全て2025年4月23日時点での情報です。
変更となる場合がありますので必ず公式サイトをご参照ください。
この記事を書いている人
アガサ
このブログの運営者及び管理人
3歳からピアノを始め、クラシック音楽歴は30年以上。結婚・出産を経て育児の合間にピアノを再開し、念願のグランドピアノも迎えました。
現在はピアノ教室向けのグラフィックデザイナーとして、全国の先生方をサポートしています。
ピアノとクラシックをこよなく愛する主婦が、音楽やピアノにまつわる情報を気ままに発信中です♪
３日目 感想
Kevin CHEN（カナダ）1:00
使用ピアノ：Steinway & Sons
- ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」
- ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
ショパンコンクール最終日のトップバッターは、いよいよ Kevin CHEN さん！
第１次予選から驚異的なテクニックと音楽性で世間を魅了し続けた彼。
ファイナルではどんな世界を聴かせてくれるのかと、0:30頃からすでにソワソワドキドキ……。
客席には、セミファイナルに進出したYehuda Prokopowiczさんの姿も。
他の出場者たちも連日、互いの演奏を聴き合っているようで、そんな空気もまた素敵ですね。
Kevin CHENさんは、舞台袖にいる時から、やはり驚くほど落ち着いていました。
第１次予選からずっとこの安定感。20歳とは思えません。
「幻想ポロネーズ」は、１音目からまるで世界の空気が変わるよう。
凄まじい集中力で、聴く人の心を一瞬で掴みます。
繊細なのに芯があり、音の輪郭がしっかりしている。
フィナーレに向かっても安定そのもの。
ミスが出やすい難所でも乱れることなく、最後まで丁寧に音楽を紡ぐ姿にただただ感服。
終演後、拍手が少し控えめだったのが不思議なくらいで、「もっと拍手してあげて！」と画面越しに言いたくなりました。（笑）
袖に戻ったあとのボレイコ氏とのやりとりも可愛らしかったですね。
彼の温かい笑顔に、舞台裏の空気まで柔らかくなったようでした。
そして「ピアノ協奏曲第1番」。
第１楽章の冒頭から、音の一粒一粒が澄んでいて明瞭。
少しゆったりめのテンポで、ショパンが望んだ“Maestoso”らしい荘厳さが漂います。
派手さよりも、誠実さと美しさを選んだその演奏に、真摯な音楽家としての覚悟を感じました。
第２楽章は、もう涙が出ました。
喜び、幸せ、優しさ。
ショパンが抱いたすべての感情を、まるで宝物を扱うように大切に紡いでいく。
静かに、そして確かに心に届く音色。
第３楽章では、再び彼らしい個性が顔をのぞかせます。
マズルカのリズムを意識した繊細な揺れ、リズムの変化、抑揚の付け方。
派手ではないけれど、深く考え抜かれた表現に彼の音楽哲学を感じました。
まだ20歳。
もっと激しく弾くことだって、派手に魅せることだってできる年頃です。
でも彼はそれをあえて選ばなかった。
「速く」「強く」ではなく、「美しく」「深く」。
そうした静かな自信が、このファイナルで彼自身のショパン像として結実していたように思います。
人によっては「無難にまとめた」と感じたかもしれません。
でも私にはそうは映りませんでした。
彼がこのファイナルで見せたのは、技巧の上にある“心の成熟”。
派手さを超えて、音楽そのものの真実を見せてくれた気がします。
ありがとう、Kevin Chen。
この静かで強い感動を、きっと私はずっと忘れません。
そして――日本でリサイタルがあったら、必ず行きますカラーーーー！！
▼ 第１次予選時の感想はこちら！
▼ 第２次予選時の感想はこちら！
▼ 第３次予選時の感想はこちら！
David KHRIKULI（ジョージア）2:00
使用ピアノ：Steinway & Sons
- ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」
- ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
David KHRIKULIさん、ついに登場ーーー！！！
もう本当に大好きなんです、彼の演奏。
予備予選からずっと、聴くたびに心を掴まれて、ここまで来てすっかりファンになってしまいました。
ピアノの前に座るなり、間髪入れずに弾き始めた瞬間、思わず笑ってしまいました。
この“迷いのなさ”がまさにKHRIKULIさんらしい。
「幻ポロ」は、最初の音からもう素敵。
トリルの美しさ、音の流れ方の自然さ。
過剰に感情を盛るわけではなく、自然体の中で音楽を立ち上げていく感じ。
それでいて、ガツンと来るところは本気でガツンと来る！
その緩急が心地よくて、爽快感がMAXなんですよね。
まるで小説で伏線が回収された瞬間のようなカタルシス。
少し粗削りに感じる瞬間もあるけれど、それすら“感情が爆発した証”のようで愛おしい。
「パッションが抑えきれなかった！」という音。（笑）好きです。
ただ……今日の会場、なんだか静かすぎませんか？
ファイナルの緊張感がそうさせているのかもしれませんが、
配信で聴いていると本当に素晴らしい演奏なんです。もう少しリアクションしてあげてほしいなと思ったり思わなかったり…！（涙）
そして「ピアノ協奏曲第2番」。
冒頭、オケが少しバラついたのが惜しかったですが、あれだけの長丁場、集中し続けるオケの皆さんも本当に大変ですよね。
（素人ながら思わず「どうか袖で一息つかせてあげて！」と願ってしまいました…気の毒です。涙）
第１楽章はもう圧巻。
音の芯が太く、熱く、それでいて繊細。
聴いていてうっとりしてしまう美しい音色。
第２楽章は、静寂の中から滲み出るような内なる情熱。
彼の演奏って、音の隙間から感情が溢れてくるんです。
美しくて、切なくて、そして少しの（結構？）ユニーク。
続く第３楽章は、彼らしいリズム感で軽やかに。
どこまでも自然で、なのに華やかに締めくくる。
圧巻のステージでした！
よくぞ第２番を選んでくれました（涙）！！
KHRIKULIさんのこのコンチェルト、心の底から聴けてよかったと思える演奏。
ラストの熱量、そしてようやく湧き上がった客席の歓声。
本当に最高の瞬間でした。
パッション溢れる第２番。
ありがとう、David KHRIKULIさん！！！
▼ 予備予選時の感想はこちら！
▼ 第１次予選時の感想はこちら！
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桑原志織（日本）3:10
使用ピアノ：Steinway & Sons
- ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61 「幻想ポロネーズ」
- ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
今大会最後の演奏者は、桑原さん。
ファイナルの“本当の”ファイナルなんて、なんてドラマティックな展開でしょう（涙）
予定では3:10スタートでしたが、実際に始まったのは3:30過ぎ。
演奏が押すのは仕方ないですね。
眠気と戦いながら、カフェインで無理やり目を覚ましつつ、桑原さんの登場を待ちました。（徹夜）
そして、登場した桑原さん！
美しいレオナールのドレスに息を呑みました；； 素敵！！
最初の曲は「幻ポロ」。
その音が響いた瞬間。あぁ、美しい、と。
やはり彼女の音は特別です。
音の抜き方が絶妙で、柔らかく、透明で。
一音一音が歌うように響いていく。
悲しみを含んでいるのに、どこか温かくて、包み込むような音色。
途中でくしゃみと着信音が重なるというまさかのアクシデント。
それでも彼女はまったく動じず、むしろ音がさらに深くなった気さえしました。
最後まで、魂が歌っているようなコーダ。
熱のこもった素晴らしい演奏でした。
そして最後のコンチェルト、「ピアノ協奏曲第1番」。
オケが奏でる冒頭の美しい旋律を聴きながら“頑張って、桑原さん”と、何度も心の中で祈っていました。
桑原さんのピアノが加わった瞬間、もう胸がいっぱい。
序盤から涙が止まりません。
なんて幸せそうに、そして自由にピアノが歌っているんでしょう。
品格と情熱が共存する音色。
まさに彼女らしい。
第２楽章では、まさに彼女の真骨頂。
ショパンの魂が天から降りてきたような、神聖な響き。
繊細なのに、しっかりと芯のある音。
その音の一粒一粒が祈りのようで、ただ静かに息を呑みました。
寄り添うオケの響きと一体となって、もう別世界。
まるで魔法のような時間でした。
そして第３楽章。
華やかに、そして優雅に。
ピアノが舞うように踊り出して感動のフィナーレへ。
もうずっと涙が溢れてました。胸がいっぱいで。
演奏後にステージ上で見せた桑原さんの笑顔。
あの笑顔を見た瞬間、心が解けるようにホッとしました。
あぁ、本当に素晴らしい演奏をありがとう。
鳴り止まない拍手に包まれながら、この大会の幕は静かに、そして美しく下りました。
▼ 第１次予選時の感想はこちら！
▼ 第２次予選時の感想はこちら！
▼ 第３次予選時の感想はこちら！
まとめ
ファイナル（本選）の３日目（最終日）は、３名の方々が演奏されました。
素晴らしい演奏者に、まずは盛大な拍手を♪
今桑原さんの演奏が終わったばかりで、時刻は AM4:44 です。
仮眠も取らずカフェインを取りつつ桑原さんの演奏まで聞き届けました。
おそらく日本時間で言うと7時頃には結果発表になるのではないかな？
結果がどうなるかはわかりませんが、ここまで演奏されてきた全てのコンテスタントの皆様に心からありがとうを。そしてもちろんショパンにも。
ここまで予備予選から全てのコンテスタントの演奏を聴き、感想を綴ってきました。
私自身の記録にと思って始めたものですが、思ったよりたくさんの方にご覧いただけているようで嬉しいです。（ちょっと恥ずかしいけど）
ここまで、ショパンコンクールの感想ブログにお付き合いいただきありがとうございました！
また色々と結果も含めてショパンコンクールについての記事もあげていきますので、気が向いたら遊びに来てください。（笑）
それでは。
最後までご覧いただき、ありがとうございました♪
