
モインモイン!みなさんこんにちは♪
ピアノ大好き主婦で、管理人のアガサです^^
ショパン国際ピアノコンクールの予備予選、4日目(4月26日開催)が終了しましたので感想を綴っていきます。
注目の日本人演奏者が続々と出てきましたね^^
前回(予備予選3日目)の感想は以下のリンクよりご覧ください^^


ご覧いただいている皆さんも、配信をご覧いただきながらご自身の感想と照らし合わせながら読んでいただくとまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。
ぜひ、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです^^
予備予選:2025年4月23日(水)〜2025年5月4日(日)
予備予選通過者発表:5月6日(火)17時30分(現地10時30分)配信あり
開会記念コンサート:10月2日(木)
1次予選:10月3日(金)〜10月7日(火)
2次予選:10月9日(木)〜10月12日(日)
3次予選:10月14日(火)〜10月16日(木)
本選:10月18日(土)〜10月20日(月)
上記は全て2025年4月23日時点での情報です。
変更となる場合がありますので必ず以下の公式サイトをご参照ください。


4日目 昼の部 感想
Nathalia Milstein(フランス)17:00
アンドラーシュ・シフに師事。2015年 ダブリン国際ピアノコンクール 第1位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」
- エチュード ロ短調 Op.25-10
- ノクターン第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
- マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3
繊細でクリアな音色を持ち味とされていて、どの曲も丁寧に、美しく奏でられていました。
無理に強調したり個性を押し出したりすることはなく、終始自然体の表現が貫かれていたのが印象的です。
ひとつひとつの音が大切に扱われていて、演奏全体としては非常にバランスよく、よくまとまっていたと感じました。
Maria Moliszewska(ポーランド)17:30
ポーランド国内ショパンコンクール ファイナリスト。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ 嬰へ短調 Op.59-3
全体を通して誠実に音楽へ向き合う姿勢が伝わってきました。
アジア勢の出場が多い中で、ポーランド出身の演奏者が登場すると、やはりどこかほっとするような安心感があります。
ポーランド人のマズルカは、やはり独特なリズム感をしっかりと再現されていて良いですね♪
その他の曲に関しては特に強い個性を打ち出すわけではありませんでしたが、音楽への真摯な姿勢と端正な表現が心地よく伝わってきました。
中川優芽花(日本)18:00
独デュッセルドルフ出身。2019年 ロベルト・シューマン国際コンクール(デュッセルドルフ)第1位。2021年 クララ・ハスキル国際ピアノコンクール第1位受賞。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
- マズルカ 嬰ハ短調 Op.30-4
中川さん、失礼ながら今回初めて演奏を聴かせていただきましたが、ドイツ生まれの日本人の方だそうで、その素晴らしさに心から感動しました。
1曲目のノクターンから、深く抒情的な演奏で一気に引き込まれ、続くエチュード2曲では、ノクターンとは打って変わって、確かなテクニックと迫力を見せつつ、彼女の持つ繊細さや音楽性がしっかりと表現されていました。
緊張している様子もなく、むしろ楽しそうに弾いているのがとても魅力的。
マズルカでは、一音一音すべてに意味を持たせるような音色で、こちらも非常に惹き込まれました。
そしてラストのスケルツォはまさに圧巻!感動のあまり涙が出たほどです。(予備予選が始まって初めての涙です。笑)本当に良い演奏に出会うと、自然と涙が出てしまうんですよね。
もっと彼女の演奏を聴いていたい、心からそう思いました。
うちに秘めた熱い思いがひしひしと伝わってくる演奏で、他の演奏者とは正直一線を画していると感じました。
予備予選で中川さんを知ることができたこと、本当に嬉しく思います。
彼女は間違いなくパスすると思いますので、今から1次予選が楽しみです!!
素晴らしい演奏を、ありがとう!中川さん!!
中島結里愛(日本/韓国)18:30
第14回ヨーロッパ国際ピアノコンクールin Japan特級部門(年齢制限なし)金賞第1位・グランプリ。2024年 ショパン国際ピアノコンクールinASIA プロフェッショナル部門銀賞。
使用ピアノ:YAMAHA
- エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- ノクターン第16番 変ホ長調 Op.55-2
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
- マズルカ 変ロ短調 Op.24-4
続いて登場したのは、同じく日本から出場の中島さん。
この春、東京芸術大学付属音楽高校に入学されたばかりとのこと。
ピティナ・ピアノコンペティションでも、Jr.G級銅賞・G級全国大会入選など好成績を収められています。
彼女もまた、とても魅力的な音を聴かせてくれましたね。
16歳とは思えないほどの豊かな表現力があり、驚かされました。
特にエチュードOp.25-5では、細部までしっかりと意識を向けて演奏しているのが伝わり、とても好印象でした。
音楽への真摯な向き合い方が感じられる、丁寧で美しい演奏だったと思います。
Fanze Yang(中国)19:30
情報がありませんでした;;
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」
- エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
- ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
- マズルカ 変ニ長調 Op.30-3
演奏はスマートでスタイリッシュな印象。
無駄のない音作りで、真面目な音色が素敵でしたね。
繊細な音も自然に紡ぎ出しており、無理なく表現できているのがとても素晴らしく、センスにあふれている方だと思いました。
スケルツォ演奏の際には涙を流しながらの演奏。(汗かな?おそらく涙だと思います。)
魂を込めて演奏されていて、素晴らしい感性の持ち主だと思います。
なんと、この方も噂によると16歳とのこと・・・。(違ったらすみません;;)
若手の実力者が次々と現れる現状に毎日驚いています。もうすでに出来上がっていますが、これからの成長も楽しみです!
Juan Mas Choclán(スペイン)20:00
バーミンガム、マリア・カナルス、リナーレスなど多数の国際コンクールで入賞。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ハ短調 Op.10-12 「革命」
- エチュード 変ホ長調 Op.10-11
- ノクターン第18番 ホ長調 Op.62-2
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ 嬰ハ短調 Op.30-4
ノクターンが素晴らしく、特に指先のコントロールの巧みさに驚かされました。
細やかな表現が自然に音へと現れており、無理なく音楽を流れさせているのが印象的でした。
ノクターンからマズルカへの流れも良く、曲ごとのキャラクターをしっかり描き分けながら、聴き手を引き込む力を感じました。
聴かせ方をよく理解されている方だと思います。
全体を通して、美しくまとまりのある演奏でしたね。
西本裕矢(日本)20:30
米国ショパンピアノコンクール優勝。2023年 高松国際ピアノコンクール第4位。2025年 エピナル国際ピアノコンクール第1位。
使用ピアノ:YAMAHA
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード ロ短調 Op.25-10
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
2023年の高松国際ピアノコンクールで、生で彼の演奏を聞いてから個人的に応援している西本さん♪
緊張感が凄まじいこの会場でも安定感のある演奏で、やはり西本さんだな〜と感じました。
落ち着いて安心して聴くことができ、1曲目のノクターンから、西本さんらしいまっすぐで誠実な響きが印象的でした。
ヤマハのまろやかな音色とも非常に相性が良く、温かい気持ちで聴き入ることができました。
エチュードでは聴かせるべきポイントをしっかりと押さえ、技巧だけでなく音楽的な表現も光っていました。
マズルカも過剰な誇張に頼ることなく、西本さんならではの音楽性を自然なかたちで表現していて、とても素晴らしい仕上がりだったと思います。
転調の際の綺麗さがたまらない;;!!
ラストのスケルツォ第2番も、スケール感のある伸びやかな演奏で、魅了されました。
10月からの第1次予選でもまた西本さんの演奏を聴けることを心から願っています。
4日目 夜の部 感想
さて、続いては夜の部の感想に行きます!
尾城杏奈(日本)0:00
2020年 ピティナ特級グランプリ。パリ国際ピアノコンクール第1位。イル・ドゥ・フランス国際ピアノコンクール第2位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
- ノクターン第18番 ホ長調 Op.62-2
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
- マズルカ イ短調 Op.59-1
夜の部は、尾城さんから始まりました♪
尾城さんといえば2020年ピティナ特級でグランプリを取られており、大活躍中の実力を十分持ったすでに有名なピアニスト。
1曲目から美しく抒情的な演奏で、すぐに惹き込まれました。
柔らかく、まるで歌うように奏でられるノクターンは非常に美しく、深い感情が自然に伝わってきました。
続くエチュードも、ただテクニックを見せつけるのではなく、音楽として優しく歌い上げていてとても印象的。
指先の繊細な表現力と、流れるようなフレージングが良いですよね〜。惚れ惚れ。
全体を通して緩急の付け方が非常に心地よく、聴き手を常に音楽の中へ自然に導いてくれるような演奏でした。
Vincent Ong(マレーシア)0:30
2024年 第19回ロベルト・シューマン国際音楽コンクール金賞。
使用ピアノ:YAMAHA
- エチュード ハ長調 Op.10-1
- エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
- ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
- マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3
決して無理をすることなく、自然体で自己表現されているのが印象的でした。
自らが感じた音楽の流れに素直に身を委ね、自由に音を紡いでいく姿とその響きが素晴らしい。
ヤマハのピアノとも見事に共鳴しているかのような、まろやかでまっすぐな音色。
個性を光らせつつも決して強調しすぎない良いラインだったと思います。
まるでピアノ自体が語りかけてくるかのような、豊かで温かみのある素晴らしい演奏でした。
小野田有紗(日本)1:00
ダン・タイ・ソンに師事。ブダペストショパン国際コンクール第3位、ダブリン国際ピアノコンクー ル最優秀ベートーヴェン賞、第5回日本ショパンピアノコンクール入選。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- マズルカ 嬰ヘ短調 Op.59-3
- スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
小野田さんは、2023年のピティナ特級にも出場されており、すでにご存知の方も多いのではないでしょうか♪
今回の演奏でも、さすがと思わせる高い音楽性と表現力を随所に感じることができました。
1曲目のノクターンでは、優しさの中にもしっかりと芯の通った強さを秘めた音色が印象的で、冒頭から惹き込まれました。
テンポやリズムにさりげない変化を加えながら、ご自身の感性を丁寧に織り交ぜ、ショパンの音楽に寄り添うような自然な流れで美しく奏でられていたのがとても印象的でした。
続く2曲のエチュードも、単なる技巧の誇示ではなく、音楽としての流れやニュアンスを大切にしながら弾き進められており、特に細部のニュアンスの付け方や間の取り方にセンスの良さを感じました。
スケルツォ第3番では、ひとつひとつの音に細やかな気配りが行き届き、特に内声の響かせ方やバランス感覚が素晴らしく、聴いていて自然と作品の世界に引き込まれました。
全体を通して、小野田さんならではの柔らかさと意志の強さが伝わる演奏で、心に残る時間となりました。
終わった後の笑顔を見て、こちらもホッとしました。素晴らしかったです^^!
Wenyuan Pan(中国)1:30
2023年 Boya Piano Art Festival第2位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ ホ短調 Op.41-1
エチュードは滑らかなタッチで、全曲を通してテクニックの素晴らしさが伝わってきました。
時折、気持ちが先走ってしまい、ピアノにうまく落とし込めていない部分も見受けられたかなと・・・。
それぞれの曲で表現したい意志は感じられましたが、音の一つ一つにもう少し丁寧な意味づけがあると、さらに深みが出るのではないかと思います。
ご自身の音楽を大切にされているのだろうと感じましたが、聴き手の心に強く届く何か、もっと深い演奏を期待したくなるところでもあります。
結局は好みの問題かもしれませんが、演奏後には熱烈な拍手が起こっており、会場の方々にはしっかりと届いていたのかもしれませんね。
やっぱり配信では限界がありますね;;生で聴きたい!
Chaelin Park(韓国)2:30
情報がありませんでした;;
使用ピアノ:YAMAHA
- マズルカ 嬰ハ短調 Op.41-4
- ノクターン第14番 嬰へ短調 Op.48-2
- エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
- エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
- スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
上品でぬくもりのある演奏。
全体を通して高いテクニックと演奏の安定感があり、聴き心地が良かったです。
丁寧に音を紡ぎながら、落ち着いた雰囲気で聴く者を包み込むような魅力がありました。
自然体で安心して聴ける演奏で好印象でした。
Jinhyung Park(韓国)3:00
2016年 クリーヴランド国際ピアノコンクール入賞。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ 変ロ短調 Op.24-4
全体を通して緩急がしっかりしていて聞き応えのある演奏でした。
表現したい思いがしっかりと音に反映されていて、とても伝わりやすく、さまざまなところで感性の豊かさが感じられ、期待していた細かなニュアンスも丁寧に表現されていたため、聴いていてとても心地よかったです。
自然な流れと繊細なタッチ、そしてダイナミックな演奏が印象的。
聴き終わった後に満足感を感じられる、そんなピアニストだなと感じました♪
Yehuda Prokopowicz(ポーランド)3:30
2025年 ポーランド国内ショパンコンクール第6位。
使用ピアノ:YAMAHA
- エチュード ハ短調 Op.10-12 「革命」
- エチュード ロ短調 Op.25-10
- ノクターン第14番 嬰へ短調 Op.48-2
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
派手さを抑え、真っ直ぐで誠実な音色がとても好感を持てます。
オーソドックスなアプローチながらも、その純粋さゆえに聴き飽きることがなく、心に響く美しさがありました。
落ち着いた中に確かな魅力を感じさせる演奏でした。
このような演奏を聴くと、無駄に体を動かしすぎたり大きなパフォーマンスのような動きは全く意味がないんだと改めて感じさせられます。(いわゆる「コンクール弾き」というもの・・・。それが悪ということではないですが、考えさせられるものがありますね。)
まとめ
4日目は、14名の方々が演奏されました。
素晴らしい演奏者の皆様に、まずは盛大な拍手を♪
4日目でアガサが気になった方々は、以下の6名です!
- 中川優芽花(日本)
- 西本裕矢(日本)
- Vincent Ong(マレーシア)
- 小野田有紗(日本)
- Jinhyung Park(韓国)
- Yehuda Prokopowicz(ポーランド)
さて、次は5日目の感想を記録していきます。
皆さんも一緒に、引き続き予備予選を楽しみましょう♪