4日間にわたって行われたショパン国際ピアノコンクールの本大会、第２次予選がついに終了し、第３次予選に進む通過者が本日発表されました。
今回は、その通過者、そして発表を受けての個人的な感想や、色々と思うところを少し綴っていきます！
ぜひ最後までご覧ください♪
予備予選：2025年4月23日（水）〜2025年5月4日（日）
予備予選通過者発表：5月6日（火）17時30分（現地10時30分）配信あり
開会記念コンサート：10月2日（木）
1次予選：10月3日（金）〜10月7日（火）
2次予選：10月9日（木）〜10月12日（日）
3次予選：10月14日（火）〜10月16日（木）
本選：10月18日（土）〜10月20日（月）
上記は全て2025年4月23日時点での情報です。
変更となる場合がありますので必ず公式サイトをご参照ください。
この記事を書いている人
アガサ
このブログの運営者及び管理人
3歳からピアノを始め、クラシック音楽歴は30年以上。結婚・出産を経て育児の合間にピアノを再開し、念願のグランドピアノも迎えました。
現在はピアノ教室向けのグラフィックデザイナーとして、全国の先生方をサポートしています。
ピアノとクラシックをこよなく愛する主婦が、音楽やピアノにまつわる情報を気ままに発信中です♪
第２次予選通過者 発表！
40名のコンテスタントたちが第２次予選で演奏をして、通過者は以下の20名！
まずは、以下に予備予選通過者一覧を演奏順に掲載します。
なお、日本人通過者は太字で表記しています！
- Piotr ALEXEWICZ (ポーランド)
- Kevin CHEN (カナダ)
- Yang (Jack) GAO (中国)
- Eric GUO (カナダ)
- David KHRIKULI (ジョージア)
- 桑原志織 (日本)
- Hyo LEE (韓国)
- Hyuk LEE (韓国)
- Tianyou LI (中国)
- Xiaoxuan LI (中国)
- Eric LU (アメリカ)
- Tianyao LYU (中国)
- Vincent ONG (マレーシア)
- Piotr PAWLAK (ポーランド)
- Yehuda PROKOPOWICZ (ポーランド)
- 進藤実優 (日本)
- 牛田智大 (日本)
- Zitong WANG (中国)
- Yifan WU (中国)
- William YANG (アメリカ)
日本からは、桑原志織さん、進藤実優さん、牛田智大さんが通過されました！
本当におめでとうございます♪
通過された方々は、10月14日からの３次予選に進まれます。楽しみですね＾＾
通過はならずとも、強く印象に残った方々
惜しくも第３次予選には進めませんでしたが、演奏を聞いて印象に残った方々を記録しておきます。
- Jonas AUMILLER（ドイツ）
- Kai-Min CHANG（台湾）
- Adam KALDUNSKI（ポーランド）
- Kwanwook LEE（韓国）
- Zhexiang LI（中国）
- Hao RAO（中国）
特に通過されず驚いた方は太字にしていますが、Kai-Min CHANG（台湾）さんと、Adam KALDUNSKI（ポーランド）ですね。
Kai-Min CHANG（台湾）は端正で素晴らしい演奏でしたし、Adam KALDUNSKI（ポーランド）さんは独自の世界で貫いて素晴らしい世界観を見せてくれました。
前回のファイナリストの Hao RAO さんも惜しくもここまでとなってしまいました。
中川さん、山縣さんも美しく魂のこもった演奏を聞かせてくれましたが…残念です。（涙）
ですが、今回通過されなかった方々の素晴らしい演奏は世界中の方々の心に深く残ったはずです。
皆さんに大きな拍手を送りたいです！！！
第２次予選を見ての感想
ここからは第２次予選の全体の感想をつらつらと綴っていきます！
全体の印象
第２次予選になると、第１次よりもさらに顕著になったのは、“技巧”よりも“音楽性”を重視する傾向でした。
そして何より問われているのは、あの特別な舞台の上でいかに緊張せず、自分のショパン像を余すところなく表現できるか。
さらには、聴衆や審査員に“魔法をかけられるか”どうか、そこが勝負の分かれ目のように感じました。
（“魔法をかけられるか”については、第１次予選の感想まとめ記事に審査委員長オールソン氏のインタビュー記事について触れておりますので是非ご覧ください♪）
もちろん、このレベルになるとテクニックの高さはもはや前提条件です。
そこから先に必要なのは、プラスアルファの表現力や個性。
「この人にしか出せないショパン」を聴かせられるかどうかが、印象を左右していたように思います。
落ち着きと貫禄が漂い始めた奏者もいれば、若さと勢いでショパンに果敢に挑む奏者もいて、まさに多様な“ショパン像”が並びました。
それぞれのアプローチを聴くことで、改めてショパンという作曲家の深さや、人間としての魅力を感じさせられるステージでした。
対照的なピアニストたち
今回とても興味深かったのは、ピアニストたちの音楽性がまるで対極にあるように感じられたこと。
特に印象的だったのが、Eric LU (アメリカ)と Tianyao LYU (中国)の二人です。
同じ日に、一人を挟んで続けて演奏したということもあり、そのコントラストがいっそう鮮やかに浮かび上がっていました。
Eric LUの第２次予選での演奏は、もはや「死」を体現しているかのような、静謐で深遠な世界観。
聴いているうちに、まるで時間が止まったような感覚に引き込まれました。
一方で、Tianyao LYUのショパンは華やかで、煌びやかで、若さと生命力に満ちている。
まさにEric LUが「陰」なら、Tianyao LYUは「陽」。
同じショパンでも、ここまで解釈や表現の方向性が違うのかと驚かされました。
どちらの音楽も、それぞれに説得力があり、聴衆と審査員を確実に魅了していたと思います。
この対照的な二人のショパンが、第３次予選でどんな形に深化していくのか、非常に楽しみです。
ピアノメーカーの話
今回の大会では、第１次予選から５つのピアノメーカーの中から好きなピアノを選べる仕組みになっていますが…、
その中で少し残念だったのが、YAMAHAを選択したピアニストが第２次予選で姿を消してしまったこと。
反対に、同じく日本メーカーのShigeru Kawaiが大健闘でした！
第２次予選ではなんと11名がShigeru Kawaiを選び、そのうち６名が見事通過。
第３次予選へと駒を進めています。
実は前回大会でも、YAMAHAを選んだピアニストが第３次予選まで進むことはありませんでした。
かつて「日本のピアノといえばYAMAHA」と言われた時代を思うと、これも時代の流れなのかもしれません。
とはいえ、今回のShigeru Kawaiの音は本当に素晴らしく、スタインウェイと並んで聴きごたえがありました。
どのメーカーのピアノも、演奏前や休憩時間に入念な調律が行われていて、まさに“ピアノ職人たちの熱意の結晶”という感じ。
それぞれのメーカーの想いが楽器に託され、ピアニストの音楽とひとつになってステージで花開く。
そのドラマが本当に感動的で、美しいなと思います。
YAMAHAも惜しくもここまでとなりましたが、そのまろやかで華やかな音色はやはり唯一無二。
ピアノの種類で結果が決まるわけではありませんが、それぞれの“音の個性”がこうして見えてくるのはとても興味深いですね。
まとめ
さぁ、いよいよ第２次予選も終わり、残すはあと第３次予選（セミファイナル）とファイナルのみとなりました。
第３次予選も引き続き感想を綴っていく予定ですので、ご興味のある方は是非また遊びに来てください＾＾
引き続きショパン国際ピアノコンクール、楽しんでいきましょう♪
