モインモイン!皆さんこんにちは♪
ピアノ大好き主婦のアガサです!
皆さんは、“ピアノの音楽史”をご存知でしょうか?
とても簡単にいうと「ピアノ音楽の歴史」なのですが、ピアノを弾く上でこの「ピアノの音楽史」を知っているとより深く曲の背景を理解することができ、ワンランクアップした演奏に繋がります。
ピアノ音楽は、バッハやモーツァルトなどが生きていた時代から現代までたくさんの人々に愛され親しまれていますね。
西洋の有名な天才作曲家たちが暮らしてきた洋式や歴史区分などの理解すると、よりピアノを楽しめますし表現の幅も広がります。
今回は、西洋音楽を4つの時代区分に分けて簡単に説明しそれぞれの弾き分けについてもご紹介していきます!
ピアノ音楽の4期
ピアノ業界では、上の図のように主に西洋音楽を4つの区分に分けて考えます。
- バロック
- 古典派
- ロマン派
- 近現代
コンクールなどでも「4期」から課題曲が出題されることが多くあります。
この4期それぞれの音楽は、その時代の政治状況や人々の暮らしなどがとても深く関わっています。
以下で、それぞれの区分ごとに、”歴史的背景”や”ピアノが楽器としてどう変化していったのか”について簡単に説明していきます。
バロック
17世紀の始め頃〜18世紀の中頃(バッハの没年頃)を指しています。
日本では、江戸時代頃です。
この時代にはまだ「ピアノ」という楽器は無く、チェンバロやオルガンなどの楽器が使われていました。
チェンバロの音色はこんな感じです。
これらの楽器は現代のピアノとは全く違い、音も弱く音色の豊かさなどもありませんし、もちろんペダルもないので単調な曲調の物ばかりでした。
独特なこのチェンバロの音色でバッハの楽曲を聴くと、趣があるよね。
これが現代のピアノに繋がるなんて、不思議な感じだわ。
この時代は、王家や貴族たちが圧倒的な財力と権力を持っていました。
この大物たちだけが楽しめるのが“音楽”だったので、当時の音楽家たちはこういった大物に雇われて日々演奏をしていたのです。
教会で専属のオルガニストになったり、講師のように楽器演奏を教えたりしながら音楽家は生計を立てていました。
この頃の音楽の特徴としては、「ポリフォニー」と呼ばれる多声音楽ということです。
メロディーと伴奏という現代のポピュラーな音楽ではなく、いくつものメロディーで構成されているのが特徴でした。
- テレマン(ドイツ)
- ラモー(フランス)
- ヘンデル(ドイツ)
- バッハ(ドイツ)
- スカルラッティ(イタリア)
古典派
18世紀中頃(バッハの没年頃)〜19世紀始め頃(ベートーヴェンの没年頃)を指しています。
日本では、引き続きまだ江戸時代が続いている頃です。
この古典時代は、クラシックの本格的な幕開けとも言える重要な時代です!
まず楽器が、チェンバロから「ハンマークラヴィーア」や「ピアノフォルテ」と呼ばれる現代のピアノ限りなく近い楽器に変わっていきました。
ハンマーで弦を叩く手法により音の強弱をつけられるようになったので、音の音色が豊かになり、作曲家たちは繊細な演奏技法を取り入れた曲を作り出すことができるようになりました。
あれ!?現代のピアノの音に似てる!
これまでの楽器は、弦を引っ掻いて音を出す手法だったけど、弦をハンマーで叩くという現代の手法に変わっていったから、音もかなり変わったんだよ。
時代とともにピアノも変わっていったってことなんだね。
その通り!
この時代に生きた有名な作曲家たちの成長とともに、ピアノという楽器もどんどん成長していったの。
この時代は、貴族の権力が段々と衰えていき一般の市民が政治力をつけていきます。
それによって今までは大物たちだけの音楽だったものが、一般の市民も音楽を楽しめるようになったのです。
そして、これまでは「多声音楽で構造的な美しさが良し!」とされていたものが「メロディと伴奏で構成されていて、調整がハッキリしていてわかりやすい音楽」が好まれるようになり、和声音楽が主流となっていきます。
現代に引き継がれてきた交響曲や協奏曲、室内楽、ソナタ等はこの時代から作られました。
- ハイドン(オーストリア)
- モーツァルト(オーストリア)
- ベートーヴェン(ドイツ)
- クレメンティ(イタリア)
ロマン派
19世紀の始め頃(ベートーヴェンの没年頃)〜19世紀の後半までを指しています。
日本では江戸時代〜明治時代です。
この頃のピアノは改良に改良を重ねて、鍵盤の数も増え音域が広がり、現代のピアノとほとんど変わらない形式のものになっていました。
タッチの加減で音色を変化させたり、音を繋げて滑らかな音色を出せるようになったのです。
作曲家たちはこういった楽器の特性を活かしながら、段々と作曲家自身の感情や思想、憧れなどを曲に落とし込むようになりました。
この背景には、当時のヨーロッパの時代の流れも大いに関係しています。
フランス革命後にヨーロッパでは、音楽だけではなく美術や文学などの芸術も大きく発展していったことで規則性や合理性などへの反発が生まれ、人々は個性的なものや独創性があるものを好んで求めるようになっていったのです。
その為、作曲家たちは古典派の要素も取り入れつつ、自分たちの新しい独創的な音楽様式を確立していきました。
- シューベルト(オーストリア)
- ショパン(ポーランド)
- シューマン(ドイツ)
- リスト(ハンガリー)
- グリーグ(ノルウェー)
近現代
19世紀後半〜現在に至るまでを指しています。
※近現代の定義が研究者によって異なるため、今回は分かりやすいようにざっくりとこのように分けています!
日本では明治時代、大正時代頃〜現在です。
近代になると、音楽に対して様々な自由な思想が生まれ、これまでの様式とは全く異なった音楽がどんどん生まれていきます。
ヨーロッパだけでは無く、ロシアやアメリカなどでも様々な主義の音楽が誕生しました。
現代になると更に自由度が増していき、調整を持たない”無調音楽”や、転調したと思ったらまた転調したり・・・複雑なリズムが取り入れられたり、メロディが一体どこにあるのか分からない・・・といった特徴の曲も続々発表されていますね。
時代が大きく変わり、古い考え方に囚われない新しい音楽が今まさに編み出されている時代なのです。
現代のクラシック曲は素敵な曲もたくさんあるけれど、どこが盛り上がりどころなのかメロディーが分からないものも多くて難しいよ〜・・・。
大丈夫!私もそうだから!(笑)
クラシック音楽を知っている人からしたら、色々と良さが分かるのかなと思ってたよ。
もちろん好きな方もたくさんいるとは思うけれど、やっぱりいつの時代も”古き良き”という言葉があるように時代の移り変わりに大多数の人はなかなかついていけないんだよね。
いいと思うものが人それぞれにあることは悪いことじゃないもんね。
そうなの。まさしくその通り。
自分が聞いて感じてこの曲好きだな、と思える感性を大事にしてほしいし、チャレンジしてみようかな?と思えたら、現代の無調音楽などにも挑戦してみてほしいな♪
- ドビュッシー(フランス)
- ラヴェル(フランス)
- スクリャービン(ロシア)
- カバレフスキー(ロシア)
4期の音楽の弾き分け
4期についてなんとなくご理解頂けたところで、「実際に楽曲をどのように弾き分ければいいのか?」ということを簡潔にお伝えしていきます♪
その時代の作曲家の演奏動画も合わせて掲載しますので、弾き方に注目してぜひ参考にしてみてください。
バロック
バロック期の音楽は、右手と左手をそれぞれ美しく聴かせることが重要です。
上述しましたが、多声音楽の為右手と左手でそれぞれ独立したメロディーを持っています。
右手の音色だけ響かせるのではなく、フレーズを感じながら油断しがちな左手のメロディーも美しく弾くことを心がけましょう!
慣れていないと弾きこなすのはすごく難しいですが、習慣的に練習をするとだんだん慣れてくるのでスムーズに多声音楽が弾けるようになります♪
古典派
古典派音楽で重要なのは、形式の美学を理解する!ということです。
ソナチネやソナタが生まれた時代ですので、規則性があり形式に則った作品が多いです。
繰り返しの際に転調していたり、同じように聞こえるけど微妙に音が変わっている部分なども非常に多いです。
なので、まずはしっかりと楽譜を確認することが大事です!
そして「何調でどんなイメージの音色か?」、「同じメロディーなのになぜここの音を少し変えているんだろう?」と、想像力を膨らませながらできる範囲で分析してみましょう!
ロマン派
この時代以降の楽曲には標題がついている場合が多いので、曲のイメージが非常にしやすくなってきます!
作曲家が意図した曲のイメージや背景を想像しながら自分の感情を演奏に乗せて行くことが重要です。
様々な解釈の仕方があっていいんです!
形式に拘らずに自由に弾いてみましょう♪
近現代
調整が無く非常に難しく感じる近現代の曲ですが、マスターすると非常に聞き応えがあってかっこいい曲も多いです。
右手だけでメロディーを作り出すのは非常に難しいので、左手もしっかりと意識しましょう。
「え?ここの音、これで合ってる?」と思う音が出てきたり、驚くような音展開の場合もありますが、作曲者にとっては意味があります。
安易に「アレンジしてもバレないか!」とは考えずに、必ず楽譜の通りに練習するようにしましょう♪
まとめ
今回は音楽史の4期とそれぞれの弾き分けについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
それぞれの時代ごとに、独自の音楽があって非常に面白いですよね。
私たちが日頃、何となく演奏しているクラシックのピアノ曲が、上述したような歴史を通り今現在も愛され弾き続けられていると思うと、何だか感慨深いですよね。
どの時代にどういった背景で生まれたのか、なんとなくでも分かっていると、曲のイメージが湧きやすくなってくると思います。
それぞれの曲の弾き分けもできるようになってくると、あなたはもうピアノマスターです!(誰w)
曲の表現の幅も増えてどんどん音楽の楽しさも広がるはずですので、ぜひ参考にしていただければと思います!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。