【感想】ブルース・リウさんのピアノリサイタルが最高だった件

アガサ
アガサ

モインモイン!皆さん、こんにちは♪

ピアノ大好き主婦の管理人、アガサです!

2023年3月1日、大阪のザ・シンフォニーホールで開催されたブルースリウさんのピアノリサイタルへ行きました。

第18回ショパン国際ピアノコンクールで優勝した中国系カナダ人のピアニスト。

優勝後は世界各地でツアーを開始し、世界の名だたるオーケストラとも数多く共演している今第注目のピアニストです。

ショパンコンクールで彼の演奏を聴いてから、「とても素晴らしい個性的なピアニストだ!好き!」という感想を抱き注目していたピアニストでした。

今回、来日公演が決定したので頑張ってチケットを入手!!!

リサイタルのプログラムや感想、そして彼の魅力について詳しく書いていきますよ♪

目次

リサイタルプログラムと感想

会場はもちろん超満員!

聴衆の年齢層は小学生くらいの子供からお年を召された方まで実に様々。

男性と女性の比率は大体4:6くらいだったかと思います。

ショパンコンクールで一躍有名になり、国境を超えてこんなにも彼に注目しているのか・・・とこの時点でもう感動!(←え?)

開演時間になって、ブルースリウさんが颯爽と登場した瞬間の私の気持ちはこうです。

アガサ
アガサ

想像してたより、背が高いめちゃくちゃスラっとしてかっこいい・・!!!身のこなしも無駄がなくスマート!!

・・・すみません(笑)

気を取り直して、実際のプログラムと感想にいきます!

ラモー:クラヴサンのための小品

なかなか聞く機会がなかったラモーの作品ですが、ブルースリウさんのおかげで素晴らしい作品を知ることが出来ました。

ジャン=フィリップ・ラモー(1683〜1764)

バッハやスカルラッティが活躍したバロック時代の、フランスの作曲家・音楽理論家

ドビュッシーが“繊細で魅力的な優しさ”と称賛したと言われている偉大な人物で、ラモーの和声論は現代の和声理論の土台となっています。

ブルースリウさんは、フランスで生まれ幼い頃にカナダに移住しています。

生まれ故郷の作曲家であるラモーの作品を非常に探究されているようです。

  • 優しい嘆き
  • 一つの巨人
  • 2つのメヌエット
  • 未開人
  • 雌鶏
  • ガヴォットと6つの変奏

それぞれ違う年代に発表されている作品を抜粋し、上述の曲を演奏されていました。

理論家でもあったラモーの楽曲は、当時の人々からは非常に斬新であると感じられたと思います。

正に現代でも新鮮で全く飽きることがない美しいハーモニーを、ブルースリウさんが更に表現力豊かに弾いているように感じられて至福の時間でした。

ショパン:モーツァルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》の“お手をどうぞ”の主題による変奏曲 変ロ長調 Op.2

作品紹介

ショパンがワルシャワ音楽院で学んでいた17歳・18歳頃に作曲された作品。

シューマンが後に「諸君、脱帽したまえ、ここに天才がいる」と高く評価した作品でもあります。

モーツァルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》の中のアリア“奥様、お手をどうぞ”を主題としており、序奏の後、主題が提示されます。

この作品は、ブルースリウさんがショパンコンクールの第3時予選で演奏されていた曲です。

多くの審査員が「歴史に残る名演だ」と大絶賛していました。

引用元:ショパン国際ピアノコンクール公式YouTube
アガサ
アガサ

ショパンコンクールの配信を見ている時とても感動したので、生で聴けるのをとても楽しみにしていました♪

まさに、彼の演奏は圧巻でした。

芯があって力強いけれど繊細さも非常に卓越している、見事な演奏。

軽やかに舞うように鍵盤の上を滑る指も、弾みながら足でリズムを刻みながら演奏する独特なその姿もまさにブルースリウワールド

あっという間に、彼の世界観に惹き込まれてしまいました!

曲中、何度も出てくる主題のメロディが演奏後もずっと頭の中を流れていてウキウキで帰路につきました。

それほど、やはりインパクトが強かったです。

ブルースリウさんの独特なリズムが心地よく、情緒を揺さぶられるんですよね。

ショパンコンクールの時と同様、FAZIOLIのフルコンを使用されていましたが、やはりとても彼と相性が良いな・・・とも感じました。

FAZIOLIのキラキラした輝かしい透明感のある音を、巧みに引き出す凄い方だと改めて思いました。

壮大なフィナーレで終了した後は、休憩に入りました。

ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ長調「葬送」Op.35

休憩後最初の演奏は、有名なショパンのピアノソナタ2番!

アガサ
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この曲はアガサの大好きな作品!

こちらもショパンコンクールの第3時予選で演奏されていました。

引用元:ショパン国際ピアノコンクール公式YouTube

第3楽章は有名な葬送行進曲ですね。

実際にショパンの葬儀でも使用されたそうです。

中間部は神秘的な美しさを持つ旋律が、静かに優しく歌われます。

非常に難易度の高い作品ですが、第1楽章から第4楽章までショパコンの時と同様美しいピアノソナタを聴けて感無量でした・・・。

この曲の特徴でもある非常に重苦しい陰湿な雰囲気もありつつ、讃美歌のように研ぎ澄まされた音まで非常に上手く弾かれていました。

これも、まさにブルースリウワールドでした。

ショパン:3つの新しい練習曲

ショパンの作品10と作品25に比べるとあまりメジャーではありませんが、「ピアノの教本の中に入れるために書かれた」と言われている作品です。

想像力を働かせながら、いかに演奏を作り込んで行けるかが鍵となる難しい作品です。

何も考えずに弾いたらつまらない演奏になってしまうところですが・・・さすがはブルースリウさんですね。

はるかに予想を超えて、素晴らしい演奏でした。

第3番は難易度が高く、舞曲のように跳躍する左手と、右手はレガートのメロディと内声のスタッカートを同時に弾き分けなければいけません。

しかし「なんともないよ、こんなの」といった感じでサラッと弾いてしまうブルースリウさん・・・。

参りました!!!!(笑)

リスト:ドン・ジョヴァンニの回想 S.418

作品紹介

フランツ・リスト(1811〜1886)が1840年に作曲した作品で、ピアニストとしてのリストの重要なレパートリーでもあった。

オペラのピアノ編曲版が人気を博していた時に、モーツァルトのオペラのメロディを用いたこの作品を作った。

ドン・ジョヴァンニに殺された騎士長の象による“お前の笑いも夜明けまでに終わるだろうよ”(第2幕)に始まる部分、“お手をどうぞ”を主題として展開する部分、そしてドン・ジョヴァンニのアリア「シャンパンの歌」が繰り広げられる部分からなる。

ショパンのドン・ジョヴァンニとリストのドン・ジョヴァンニが聴けるとは・・・ととても感慨深かったです。

リストのドンジョヴァンニは、跳躍も非常に多く連続するオクターブやあちらこちらへ動き回る音階が多く組み込まれているので、難曲中の難曲です。

最後まで、息つく間もなく圧巻の演奏で演奏終了後はスタンディングオベーションでした・・・!

アガサ
アガサ

素晴らしすぎました!!!!

まさにこの一言に尽きるような見事な天才的な演奏。

壮大で圧倒され、これでもかというくらいに見せつけられるテクニックお客様を惹きつけてやまないブルースリウさんの独特なリズム感と世界観

周りの方々も口を揃えて「凄すぎる!!!」と仰っていました。

惜しみない拍手を送られて、少し恥ずかしそうな笑顔でお辞儀をするブルースリウさんがまた・・・素敵なんですよね。

私ならこんな大曲弾き切ったら満面のドヤ顔でお辞儀をすると思いますが(笑)、彼は至っていつも通り!

非常に好感度の高い好青年ですよね〜、感心してしまいました(泣)

アンコールブログラムと感想

熱烈な会場からの拍手を受け、なんとアンコールを5曲も演奏してくれたブルースリウさん!

  • ショパン:ノクターン第20番 嬰ハ短調「遺作」
  • ショパン:3つのエコセーズ Op.72-3
  • バッハ:フランス組曲第5番 ト短調 BWV816よりアルマンド
  • リスト:ラ・カンパネラ
  • ショパン:ワルツ 第19番 イ短調(遺作)

通常のプログラムで圧巻の超絶技巧を披露してくれましたが、その後のアンコールはもう一つのリサイタルをしてくれたかのような豪華なアンコールでした。

リストのラ・カンパネラは有名曲なだけあって、曲が始まると会場内が一瞬ザワザワ・・・となりました(笑)

ブルースリウさんのラ・カンパネラは聴いたことがなかったのですが、これもまたしつこいようですが天才的に素晴らしかった!!

何度も聴いたことがあるラ・カンパネラも、ブルースリウさんが弾くと彼の世界観で独特なラ・カンパネラになるんですが、非常に素敵な解釈でした。

絶妙なテンポで難曲を弾き切ったあとは、会場内が1番の盛り上がりを見せました。

まとめ

今回はこのリサイタルのために新幹線で大阪まで向かったのですが、道中ショパンコンクールに関する書籍を読んでいました。

その書籍によるとブルースリウさんは、コンクール中他の演奏者の演奏は一切聴かずにまるで仏陀のようになっていたそうです!

彼ほどの実力を持っていても、歴史あるコンクールという場では何が起こるかわかりませんし大変なプレッシャーもあったわけですね。

彼の弾くショパンはショパンではない

残念ながらショパンコンクールで優勝を果たした際に、こういった声もあったようです。

伝統的なショパンの演奏を崩しすぎているように見えるブルースリウさんの演奏を、好まれない方がいるのも当然かと思います。

しかし、私は今回彼のリサイタルに行って圧倒的なブルース・リウの世界に魅了されました。

彼のこれまで培ってきた経験がどんどん淘汰され洗練された演奏になっていっているように感じましたし、これからの新時代の求心力とも言える素晴らしいピアニストだと心から思ったからです。

まだまだ若い才能を、心ない言葉で傷つけて欲しくはないですし、批評家だと言いつつ批判して彼のファンをも誹謗中傷するような方々に潰されて欲しくはないと今は願っています。

何より、ショパンだけではなくラモーやリスト、バッハなど様々な作曲家の作品もここまで素晴らしい演奏ができるのです。

ショパンコンクールで優勝したことがここまで彼が有名になったきっかけにもなったわけですが、それはあくまでも彼のピアニスト人生の第1段階に過ぎません。

ブルースリウさんの特徴的なリズム感卓越した技術力感性豊かな表現力でこれからも世界中の人々を魅了してくれるはずです。

リサイタルから数日経った今でも、彼の音楽や優しい響きが心に残っています。

アガサ
アガサ

彼の演奏を生で聴けたことは私の音楽人生で忘れられない大切な財産となりました♪

みなさんも、もし機会がありましたらぜひ彼の演奏を聴いてみてください!

きっとブルースリウさんの魅力にどっぷりハマりますよ〜♪

最後まで、ご覧いただきありがとうございました!

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