モインモイン!皆さん、こんにちは♪
ピアノ大好き主婦の管理人、アガサです!
今回は、ピアニストの反田恭平さんの自伝本「終止符のない人生」を読んでの感想です。
音楽の最高峰と言われ5年に1度しか開催されない、ショパン国際ピアノコンクール。
2021年10月に開催された同コンクールの第18回で、見事第2位に入賞されました!
反田恭平さんのショパン国際ピアノコンクール、実際に私もリアルタイムでライブ配信を視聴していました。
日本と開催地ポーランド・ワルシャワでは時差があるため夜中ではありましたが、早朝から仕事があるにも関わらず、欠かさずライブ配信でチェックするほど応援していました!
ファイナルラウンドでは反田さんの圧巻のピアノ協奏曲1番を見て涙が止まらなくなるほど感動しました。画面の前で拍手をしてしまうほど!素晴らしかったです。
テクニックはもちろん、私を含め世界中の人々が反田恭平さんの演奏に感銘を受けたことと思います。
反田恭平さんの生い立ちからショパコン2位受賞までの歴史、そして反田恭平さんの素晴らしい人間性を知る事ができるこちらの本は、ピアノを嗜んでいる方々にはもちろん、ピアノ未経験者の方でも楽しめる1冊となっていますのでぜひ読んで頂きたいです♪
自由奔放な天才
まずピアノコンクールで上位に入賞する人や有名なピアニストを思い浮かべると、3歳や4歳からピアノを始めて英才教育を受けて育った人たちや音楽一家に生まれ親からの指導も手厚い、といったような想像する方も多いかと思います。
実際に、そういう方々が多いのも事実ですが・・・反田さんは、早期教育とは無縁の家庭に生まれ「本業はサッカー」「ピアノは趣味」というサッカーに夢中な少年でした。
しかし、3歳で音楽教室に通っていた頃、音当てクイズで面白いほどに正解を出す天才でもありました。
結果的にサッカーは怪我で断念されてピアノの道に進むことになったそうですが、進むべくして進まれた道としか言いようがないです!
非常に奇抜なファッションで音楽学校に通われていたこともあったそう・・・(笑)
“楽しみを他にも持つ”そして“自由に我が道を進んでいく”という彼の信念は、音楽家にとって必要不可欠でもあるのではないかと私は思っています。
反田さんが第2位を受賞されたこのショパン国際ピアノコンクールで優勝されたブルース・リウさんも実に多趣味で多彩な方でもあります。
人生において起こりうる様々な経験は、必ず音楽に通ずることになると私自身も考えているので非常に興味深い内容でもありました。
反田さんは後に“人間的に大きくなる必要がある”と考え、人から束縛されても音楽を学ぶべきだと決心され本格的に音楽の道を歩むことになります。
コンクールでも着実に結果を残して実力を伸ばし、知名度もグングンと上がっていきます。
実際私もメディアで拝見したことがあり、存じ上げていました!
もし私が反田さんであれば・・・おそらくこの時点で名声も手にしたしコンサートやリサイタルに回ってピアニスト人生謳歌しよう!と考えてしまいそうなのですが、彼はあの有名な「ショパン国際ピアノコンクール」に果敢にも挑戦したのです。
ショパンコンクールに真摯に向き合った天才
ロシアに留学された後にポーランドへ移り、本格的にショパン国際ピアノコンクールへ向けて動き出します。
すでに日本では知名度もあり、はっきり言えば「ショパンコンクールに出なくてもCDも売れるしリサイタルのチケットも売れる」のに・・・あえて挑戦した彼の決断力にはまさに驚かされました。
もし入賞できずに帰国、ということになれば日本のファンは失望するかもしれません。
敢えて危険な道を果敢にも進んでいったのは反田さんの「音楽家の信念」が素晴らしく強固なものであったからでしょう。
熱心にショパンを研究し数年前から対策を練り、プログラムの構成も考える。
ショパンを尊敬し、ショパンの祖国ポーランドを想い、そしてピアノを愛し、輝かしいテクニックと色彩豊かな音色で審査員と観客全てを魅了してくれました。
同コンクールでの詳しい反田さんの様子や当時の思い、選曲理由など全て細かく記載されているのでリアルタイムで視聴していた私は「あの時こういう気持ちで弾いていたの!?」と意外な気持ちにもなりながら、夢中で読みました。
恩師との感動的なやりとりも、涙なしでは見られませんでした。
反田恭平さんという人物は、周りの暖かい方々の存在無くしては存在し得なかったのであろうことをひしひしと感じます。
YouTubeで公式の演奏動画が見られますので、是非照らし合わせながら読むことをおすすめします!
天才であり続けるには・・・
どんな時でも彼は、真摯に演奏を聴いている観客に向けて演奏をしてくれているんだということを強く感じる部分があり、印象的でした。
会場が大きかろうが小さかろうが、聴衆が2000人だろうがたった一人だろうが、コンサートは差別しない。絶対に手抜きをしない。全てのステージで、毎回全身全霊でピアノを弾き切る。
この姿勢を失って慢心するようであれば、死んだほうがマシだとさえ思う。
「終止符のない人生」著者:反田恭平(幻冬舎)
この思いは、非常に反田さんの人柄を表しています。
どのようなピアニストでも有名になればなるほど、この思いが残念ながら薄らいでいくものかな・・・と私は思っていました。
置かれている地位や知名度が上がれば上がるほど演奏家は満足し、それが顕著に演奏に現れ失敗してしまい消えていったピアニストも見ていたからです。
なので、反田さんのこの考え方には非常に胸を打たれました。
ショパン国際ピアノコンクールで2位を受賞してもなおこの言葉を紡ぐことができるのは、彼が日頃から観客のことを大切にしてくれていて、音楽の本質に常に向き合っているから。
そして音楽の未来をしっかり見据えて、常に前進しているピアニストだからだと思います。
というのも反田さんは、ピアニストという肩書きだけではなく、楽団を創設し指揮者も務め上げる経営者でもあります。
彼の柔軟な思考力や自由な発想、人に対しての暖かい人柄全てがこれからのピアノ業界を明るく照らしてくれることは間違いないでしょう。
まとめ
今回は反田さんの著書「終止符のない人生」をご紹介しました!
本を通して、音楽・ピアノのことはもちろんですが反田さんの人柄や人間性を深く知ることができました。
そして、この記事で敢えて何度も「天才」と書いてきました。
「天才」とは何か?を、この本を読んで改めて考えてみました。
相対性理論を発表した有名なアインシュタインの言葉にこういうものがあります。
天才とは努力する凡才のこと
アルベルト・アインシュタイン
もちろん才能を生まれながらにして持っている方もいらっしゃるかと思いますが、人間は努力次第で誰しもが天才になり得る可能性がある、という名言です。
「これはダメだ・・・諦めよう」とすぐに投げ出さずに何度も困難に向き合い進んでいくことができる人こそが「天才」である、と。
反田さんは、まさに幼少期から音楽のセンスがずば抜けていました。
しかし、反田さんがその才能に自己満足しているだけの人物だったとすると、ここまでの素晴らしい活躍はできないと思います。
ショパン国際コンクールで2位を受賞することができたのは単に「天才」だから、という簡単な理由ではありません。
日々努力し、音楽と真摯に向き合い、これからの音楽の未来を切り開くべく歩み続けているから。
「今の自分に満足することなく真剣に物事に取り組み努力を怠らないから」だと思っています。
何も努力せず頑張らなければ、過程でも何も生まれずもちろん結果も残らないです。
こういったことを改めて感じることができ、人生の勉強にもなる1冊でした。
私が人生につまづいた時、きっとまたこの本を読み直すことになると思います。
反田さんのコンサートに行きたいけど、全くチケットが取れません・・・(泣)いつかチケットを入手したら必ずレポートを書きたいと思っています!
ぜひ、みなさんも読んでみてくださいね♪
最後までご覧いただきありがとうございました!