【後編】第5回高松国際ピアノコンクール|本選の感想・結果まとめ

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第5回高松国際ピアノコンクールの結果が発表されましたね♪

入賞された皆さま、本当におめでとうございます!

結果は以下の通りです。

  1. Philipp LYNOV/フィリップ・リノフ(ロシア)
    • 香川県知事賞、高松市長賞、公益財団法人松平公益会賞、公益財団法人高松市文化芸術財団 理事長賞も同時受賞
  2. 青島 周平/Shuhei AOSHIMA(日本)
    • 公益財団法人高松観光コンベンションビューロー理事長賞、委嘱作品演奏者賞も同時受賞
  3. Nail MAVLIUDOV/ナイール・マヴリュードフ(ロシア)
  4. 西本 裕矢/Yuya NISHIMOTO(日本)
  5. Mariia NARODYTSKA/マリア・ナロジツカ(ウクライナ)

私も、本選の2日間、現地でファイナリストの演奏を聴いてきました!

今回は、その感想をまとめていきますね♪

この記事を書いている人

アガサ
このブログの運営者及び管理人


3歳からピアノを始め、クラシック音楽歴は30年以上。結婚・出産を経て育児の合間にピアノを再開し、念願のグランドピアノも迎えました。
現在はピアノ教室向けのグラフィックデザイナーとして、全国の先生方をサポートしています。
ピアノとクラシックをこよなく愛する主婦が、音楽やピアノにまつわる情報を気ままに発信中です♪

この記事はこんな方にオススメ!
  • 第5回高松国際ピアノコンクールの本選結果や演奏内容が気になる方
  • 実際に会場で聴いた人のリアルな感想を読んでみたい方
  • 青島周平さん、西本裕矢さんなど注目の若手ピアニストを応援している方
目次

本選1日目

会場のレグザムホール。現地での熱気は配信では味わえない特別な体験でした!

では、本選1日目の演奏順番通りに感想を記録していきます。

西本 裕矢/Yuya NISHIMOTO(日本)

トップバッターは香川県出身の西本裕矢さん!

曲はラフマニノフのピアノ協奏曲第3番でした。

ラフマニノフの3番をトップバッターで選ぶのは凄まじいプレッシャーだろうな・・・と思ったのですが、西本さんは緊張しつつも徐々に調子を上げていく様子が印象的でした。

クライマックスではダイナミックに疾走し、繊細で感動的な旋律を表現していました。

ただ、オーケストラの調子がいまひとつで、3楽章のクライマックスで指揮者のミスリードがあり、金管楽器が早く音を出してしまうハプニングもありました。

生演奏ならではのことですが・・・、大事な場面だけに気の毒でした。

それでも西本さんは動じることなく最後まで弾き切り、その精神力に感動しました。

結果は4位入賞です♪

今後の活躍が楽しみなピアニストです。

Philipp LYNOV/フィリップ・リノフ(ロシア)

見事1位を獲得したフィリップ・リノフさん!

彼の演奏はとても安定していて、技術の高さがはっきり伝わってきました。

西本裕矢さんの直後というプレッシャーの大きい順番でしたが、全く動じることなく堂々と自分のペースでラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を弾き切っていました。

リノフさんの手は大きくて、広い跳躍やオクターブを軽々とこなしていて、とてもパワフル!

1楽章のカデンツァでは繊細な表現も見事にこなしており、まるで歌うように美しいメロディーを奏でていました。

技術面だけでなく、音楽表現もしっかりしていて、聴く人を引き込む力がありました。

オーケストラとの息もぴったり合っていて、完成度の高い演奏だったと思います♪

実際に会場で見かけた時は、背が高くスマートな印象で、演奏だけでなく見た目でも観客の注目を集めていました。

これから国内外での活躍がますます楽しみなピアニストです。

Nail MAVLIUDOV/ナイール・マヴリュードフ(ロシア)

ナイール・マヴリュードフさんは、本選1日目の最後に登場しました♪

演奏したのはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で、シゲルカワイのピアノを使っての素晴らしい演奏でした。

正統派のラフマニノフという感じですが、ナイールさんらしい余裕とおしゃれさが感じられ、とても魅力的

1楽章では少しオーケストラとタイミングがずれる場面もありましたが、すぐに持ち直していました。

3楽章はゆったりめのテンポで始まりましたが、くどくならずバランスの良い演奏で、落ち着いたフィナーレへ。

日本人ピアニストならもっと力を入れて弾きそうなところも、ナイールさんは余裕を残してさらっと弾いていて、それがむしろおしゃれに感じられました。

好みは分かれるかもしれませんが、とてもレベルの高いラフマニノフを聴けて、私は幸せでした^^

ラストの盛り上がりは本当に圧巻で、鳥肌が止まりませんでした!

ちなみにナイールさんは前回の第4回高松国際ピアノコンクールにも参加していて、今回は見事3位に入賞しています。

演奏後のチャーミングな笑顔も印象的でした♪

本選2日目(最終日)

ファイナル会場の様子。舞台上の緊張感と集中力がひしひしと伝わってきました

続いては、最終日の本選2日目の感想です!

Mariia NARODYTSKA/マリア・ナロジツカ(ウクライナ)

マリア・ナロジツカさんは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を演奏されました。

とても有名な曲で、誰もが一度は聴いたことがあるあの印象的な出だしからスタートします♪

マリアさんらしい、暖かくて優しい演奏でしたね。

安定感がありすぎて少し平坦に感じる部分もあり、もう少しインパクトがあってもよかったかな?と、素人ながらに思ったりもしました。

それでも、生で聴くマリアさんの演奏はとても心地よくて、気持ちがよかったです。

最終日のトップバッターということで緊張もあったと思いますが、最後まで素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

今回のコンクールは、いろいろな思いを抱えながらの出場だったのではないかと感じました。

このような複雑な状況で、彼女のピアノの音色は、きっとたくさんの人の心を癒して救ったのではないかと思います。

これからもずっと、暖かい音色を届け続けてほしいです。

5位入賞、本当におめでとうございます♪またぜひ、生で演奏を聴きたいです!

青島 周平/Shuhei AOSHIMA(日本)

青島周平さんは、見事2位に入賞されました!

正直に言うと、私、生で演奏を聴いてすっかりファンになってしまいました!

彼が弾いたのはサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番。私も大好きな曲なので、演奏がとても楽しみでした。

実際の演奏はというと・・・、期待以上で本当に感動しました;;!

繊細で透き通った音から、心に響く深みのある音まで、多彩な音色を自在に出せる方だと改めて感じました。

この曲は「エジプト風」と呼ばれ、サン=サーンスがカイロ滞在中に作曲したこともあって、エキゾチックな雰囲気が特徴です。青島さんはそれをとてもおしゃれに表現していました。

演奏中はとてもリラックスしているように見えましたが、ミスタッチもいくつかあったので、やっぱり緊張もあったんだろうなと思います。でも本選の舞台ですから、当然ですよね。

オーケストラとの息もピッタリで、特に3楽章のフィナーレは駆け上がっていく感じが最高でした!

演奏後の爽やかな笑顔も印象的でしたね。

第3次審査でのフォーレも素晴らしくかったので、正直1位も期待していたんですが、結果は惜しくも2位。

でも200人以上の中からの2位は、本当にすごいことです。

青島さんは、「こう弾いてほしい!」と思う部分をさりげなく叶えてくれるピアニストなんですよね。

みなさんも、きっとありますよね?「ここはもっと激しく」「ここは繊細に」といった好みが^^

青島さんの演奏は、それが叶うから魅力的なんだと思います。

正直、今回まで存じ上げなかったのですが、こんな素晴らしいピアニストに出会えて本当に良かったです!

今はフランスのパリ国立高等音楽院に通っているそうですが、ぜひ日本で、できれば西日本でソロリサイタルをしてほしいなと思います。

また絶対に彼の演奏を生で聴きたいです!

まとめ

第1次審査からあっという間に本選までが終わってしまいました!

若手のピアニストから有名な方まで、幅広い演奏を楽しむことができて、とても充実した時間を過ごせました♪

ここまで走り抜けた全ての出場者の皆さんに、心から大きな拍手を送りたいです!

みなさん、本当にブラボーでした!

また、コンクールを支えたスタッフやボランティアの方々もお疲れさまでした。

次回も、ぜひ見に行きたいと思います♪

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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