【知られざる名作曲家】セルゲイ・ボルトキエヴィチとは?名曲も解説

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クラシック音楽には、ショパンやラフマニノフ、チャイコフスキーのような有名作曲家が数多く存在します。

しかしその一方で、知名度は高くないものの、“なぜもっと有名にならないのだろう?”と思うほど美しい作品を書いた作曲家たちもたくさんいるのです。

今回ご紹介するのは、そんな“知られざる名作曲家”のひとり、Sergei Bortkiewicz(セルゲイ・ボルトキエヴィチ)です。

後期ロマン派らしい甘く情熱的な旋律と、ラフマニノフを思わせる壮大な響きが魅力の作曲家です。

「ロマン派の美しいメロディーが好き!」
「ラフマニノフ系の音楽をもっと知りたい!」

そんな方には、きっと刺さるはず。

今回は、ボルトキエヴィチの生涯や音楽の特徴、そしてぜひ聴いてほしいおすすめ名曲をご紹介していきます♪

この記事を書いている人

アガサ
このブログの運営者及び管理人


3歳からピアノを始め、クラシック音楽歴は30年以上。結婚・出産を経て育児の合間にピアノを再開し、念願のグランドピアノも迎えました。
現在はピアノ教室向けのグラフィックデザイナーとして、全国の先生方をサポートしています。
ピアノとクラシックをこよなく愛する主婦が、音楽やピアノにまつわる情報を気ままに発信中です♪

この記事はこんな方にオススメ!
  • 後期ロマン派のような、甘く美しいクラシック音楽が好きな方
  • 有名作曲家だけではなく、“知る人ぞ知る名作曲家”を発掘してみたい方
  • ショパン・ラフマニノフ・リスト系の華やかなピアノ曲が好きなピアノ愛好家の方
目次

ボルトキエヴィチの生涯

出来事
1877年セルゲイ・ボルトキエヴィチ 誕生。現在のウクライナ・ハルキウ近郊の貴族家庭に生まれる。
幼少期幼い頃から音楽教育を受け、特にピアノの才能を発揮する。
1896年頃ロシア帝国を離れ、ドイツの ライプツィヒ 音楽院へ留学。作曲やピアノを本格的に学ぶ。
学生時代ショパン や リスト、チャイコフスキー などロマン派音楽に強く影響を受ける。
1900年代初頭ピアニストとしてヨーロッパ各地で活動を始める。作曲家としても注目されるようになる。
1914年第一次世界大戦が勃発。ロシア系であったため国外で困難な状況に置かれる。
1917年ロシア革命の影響で故郷の財産や生活基盤を失う。以後、亡命生活のような不安定な人生を送ることになる。
1920年代ウィーン を中心に活動。ピアノ曲や協奏曲など数多くの作品を作曲。
1930年代時代は近代音楽へ移行していたが、ボルトキエヴィチはロマン派的な作風を貫く。
第二次世界大戦期戦争の影響で再び苦しい生活を経験。楽譜の紛失や出版困難にも悩まされる。
1952年ウィーン にて死去。75歳。
死後長らく知名度は低かったものの、近年になって再評価が進み、“隠れたロマン派作曲家”として人気が高まっている。

ボルトキエヴィチは、1877年に現在のウクライナ・ハルキウ近郊で生まれた作曲家・ピアニストです。

幼い頃から音楽の才能を発揮し、後にロシア帝国やヨーロッパ各地で音楽を学びました。

特にピアノの才能に優れており、演奏家としても高く評価されていたのです。

しかし、ボルトキエヴィチの人生は決して平穏なものではありませんでした。

ロシア革命や第一次世界大戦など、激動の時代に翻弄され、故郷を離れざるを得なくなったり、財産や楽譜を失ったりと、非常に苦しい経験を重ねています。

戦争による混乱の中で各地を転々としながらも作曲活動を続け、美しくロマンティックな作品を数多く残しました。

20世紀に入ると、音楽界では無調音楽や前衛音楽が注目されるようになります。

しかしボルトキエヴィチは流行に流されることなく、一貫して“美しい旋律”を大切にした後期ロマン派のスタイルを貫きました。

そのため、一時は音楽史の中で埋もれてしまった存在でもありましたが、近年になって再評価が進み、「隠れた名作曲家」として世界中のクラシックファンから注目されています。

ラフマニノフとの共通点

セルゲイ・ラフマニノフは1873年生まれ、そしてセルゲイ・ボルトキエヴィチは1877年生まれ。

(同じ名字だけど血縁関係はありません)

ふたりは、ほぼ同じ時代を生きた作曲家でした。

ラフマニノフはロシア帝国出身として知られていますが、ボルトキエヴィチもまた当時のロシア帝国領で生まれています。
(現在ではボルトキエヴィチの出生地はウクライナ領となっています。)

そのためか、ボルトキエヴィチの音楽からはロシア後期ロマン派らしい重厚さや哀愁を感じる場面が多くあります。

実際に彼の音楽は、

  • リストの華やかな技巧
  • ショパンの歌うような旋律
  • チャイコフスキーの叙情性
  • ラフマニノフや初期スクリャービンを思わせる濃厚な和声

など、さまざまなロマン派の要素を受け継ぎながら独自に発展していったと言われています。

特に、甘美でロマンティックな旋律や、どこか孤独感を漂わせる響きには、ラフマニノフと共通する魅力を感じる方も多いかもしれません。

一方で、ボルトキエヴィチはラフマニノフよりもさらに幻想的で繊細な空気感を持っており、“知る人ぞ知るロマン派作曲家”として近年再評価が進んでいます♪

ボルトキエヴィチのおすすめ曲

ここからは、ボルトキエヴィチのおすすめ曲をご紹介します♪

幻想小曲集 Op.61 第2番 Ein Traum

Nadejda Vlaeva

この曲は、幻想小曲集 Op.61第2曲にあたる作品です。

幻想小曲集 Op.61には6曲収められていますが、個人的にお気に入りの小品集です!

どの曲も魅力が詰まった名曲ばかり!

今回はその中でも演奏される機会が多い第2番をご紹介します^^

この曲のタイトルの《Ein Traum》は、ドイツ語で「夢」という意味。

その名の通り、まるで夢の中を漂っているかのような幻想的で甘美な雰囲気が魅力の一曲です。

静かで美しい旋律から始まり、次第に感情が大きく揺れ動いていく展開は、後期ロマン派らしい濃厚なロマンティシズムに溢れています。

どこかラフマニノフを思わせるような重厚で美しい和声も印象的で、切なさと温かさが同時に押し寄せてくるような独特の世界観があります。

派手な超絶技巧を前面に押し出す作品ではありませんが、その分メロディーの美しさや繊細な感情表現をじっくり味わうことができます。

特に夜に聴くと、この曲の持つ幻想的な空気感に一気に引き込まれますよ♪

ピアノソナタ 第2番 Op.60

Seunghun Jeong

後期ロマン派の魅力がぎっしり詰め込まれた壮大な作品です。

重厚感のある和音や情熱的な旋律は、どこかラフマニノフやスクリャービンを思わせる場面もあり、ロマン派好きにはたまらない一曲となっています。

全体的に非常にドラマチックで、静かな美しさと激しい情熱が次々と押し寄せてくるような展開が魅力です。

特にボルトキエヴィチ特有の“歌うようなメロディー”はこの作品でも健在で、技巧的でありながらも常に美しい旋律が感じられます。

また、単なる華やかさだけではなく、どこか哀愁や孤独感を感じさせる響きがあるのもこの作曲家ならでは。

激動の時代を生きたボルトキエヴィチの人生が、そのまま音楽に投影されているようにも感じられます。

演奏難易度はかなり高く、重厚な和音や幅広い音域、濃密な音楽表現が求められるため、ピアニストにとっても非常に弾きごたえのある作品です!

4つの小品 Op.3 第1番 カプリッチョ

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若きボルトキエヴィチらしい、華やかさと情熱が感じられる作品です。

タイトルの「カプリッチョ(奇想曲)」の通り、自由で軽やかな雰囲気が魅力的な一曲。

全体的には華やかで技巧的ですが、ただ派手なだけではなく、どこか哀愁を感じさせるメロディーが織り込まれているのもボルトキエヴィチらしいポイントです。

また、ショパンやリストの影響を感じさせるような華麗なピアノ書法も聴きどころのひとつ。

終盤へ向かって一気に駆け抜けていく圧巻のフィナーレにもぜひ注目してみてください♪

演奏時間も比較的短めなので、「まずはボルトキエヴィチを聴いてみたい!」という方にもおすすめしやすい作品です。

リリカ・ノーヴァ Op.59 第1番 Con moto affettuoso

稲積 陽菜 Hina Inazumi

ボルトキエヴィチらしい抒情性がたっぷり詰め込まれた美しい小品です。

リリカ・ノーヴァ Op.59は全4曲あり、全て素敵なのですが特にこの第1番がおすすめです♪

“Con moto affettuoso”は、「愛情を込めて、感情豊かに」といった意味を持っており、その指示の通り温かく歌うような旋律が印象的な作品となっています。

全体的に派手さよりも“歌心”を重視した曲で、繊細で甘美なメロディーが静かに心へ染み込んできます。

一音一音がまるで語りかけてくるようで、ボルトキエヴィチ特有のロマンティックな世界観を存分に味わうことができます。

また、美しい旋律の裏側にはどこか儚さや孤独感も漂っており、その絶妙な陰影がこの曲の大きな魅力です。

技巧を前面に押し出す作品ではありませんが、だからこそ純粋なメロディーの美しさをじっくり堪能できます。

心を落ち着かせたい時にゆっくり聴きたくなるような、隠れた名曲のひとつです。

3つの小品 Op.24 第3番 即興曲 Eros

こちらは、情熱的で濃厚なロマン派の魅力を味わえる作品です。

“Eros”というタイトルの通り、全体を通して官能的で甘美な雰囲気が漂っており、まるで激しい感情が次々と溢れ出してくるような音楽になっています。

冒頭から流れる美しい旋律は非常に印象的で、ボルトキエヴィチらしい“歌うメロディー”をたっぷり堪能できます。

その一方で、即興曲らしい自由な展開や華やかなパッセージも多く、感情の揺れ動きがそのまま音になったようなドラマチックさがあります。

甘くロマンティックでありながら、どこか切なさや憂いを感じさせる響きも魅力的。

ショパンやラフマニノフが好きな方なら、きっと惹き込まれる世界観だと思います!

ボルトキエヴィチのロマン派らしい美しさがぎゅっと詰め込まれた一曲です。

まとめ

今回は、ボルトキエヴィチという少しマイナーながらも、非常に魅力的な作曲家をご紹介しました。

ボルトキエヴィチの音楽には、後期ロマン派らしい華やかさや甘美なメロディー、そしてどこか切なさを感じさせる独特の世界観があります。

ショパンやラフマニノフ、リストのようなロマン派音楽が好きな方なら、きっと心惹かれる作品に出会えるはずです。

有名作曲家に比べると演奏される機会は多くありませんが、その分「こんな素敵な作曲家がいたんだ!」という発見の楽しさも味わえます。

今回ご紹介した作品以外にも、美しいピアノ曲や協奏曲を数多く残しているので、ぜひ色々な作品を聴いてみてくださいね♪

ボルトキエヴィチを堪能するならこのCD一択です!

あなたのお気に入りの“知られざる名曲”が見つかるきっかけになれば嬉しいです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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