「純粋に音楽を楽しみたい」「好きな曲を自分で弾けたら」という思いでピアノを始めたはずなのに、いつの間にか、SNSで見かける他の人の演奏に落ち込んでしまう——。

同じ曲なのに、どうしてあんなに滑らかに弾けるの?



あの人はどんどん上達してるのに、自分は全然…
こんな風に感じて、やる気を失ってしまったことはありませんか?
「趣味なんだから比べなくていい」と分かっているつもりでも、つい他人の演奏や進み具合に心がざわついてしまう。
このモヤモヤ、きっとあなただけではありません。
この記事では、「比べてしまう気持ち」とどう向き合うか、そしてピアノをもっと自分らしく楽しむためのヒントをお届けします。
この記事を書いている人


アガサ
このブログの運営者及び管理人
3歳からピアノを始め、クラシック音楽歴は30年以上。結婚・出産を経て育児の合間にピアノを再開し、念願のグランドピアノも迎えました。
現在はピアノ教室向けのグラフィックデザイナーとして、全国の先生方をサポートしています。
ピアノとクラシックをこよなく愛する主婦が、音楽やピアノにまつわる情報を気ままに発信中です♪
- 趣味でピアノを始めたけれど、SNSで他の人の演奏を見て落ち込みやすい方
- 他人と比べて自己評価が下がり、やる気を失いかけている方
- ピアノを自分のペースで楽しみたいけれど、気持ちのコントロールに悩んでいる方
比べてしまうのは“自然なこと”


誰しも、人と自分を比べてしまうのは本能的な反応です。
周りの状況を知ることで、自分の立ち位置や進み具合を把握したくなるもの。
これは子どもも大人も同じです。
特に大人になって趣味としてピアノを始めると、自分のペースや成長スピードが気になる場面が多くなります。
学生時代のように周囲と一緒に学ぶ機会が少なくなり、SNSや動画で簡単に他人の演奏を目にできる今では、どうしても比較しがちです。
でも、ここで覚えておきたいのは、比べること自体は決して悪いことではないということ!
大事なのは、その比較に振り回されず、自分の楽しみや成長を大切にすることです。
比べて落ち込む自分を責めず、そう感じるのは自然なことだと受け入れることで、心が少し軽くなるはずです。
SNSや他人の演奏には“裏”がある


SNSで見かける素敵な演奏動画。
同じ曲を弾いているのに「なんであんなにきれいに弾けるの?」「私は全然ダメかも…」と落ち込んでしまうこと、ありますよね。
でも、思い出してほしいのは、SNSにアップされている演奏は、その人が一番うまく弾けた“ベストテイク”だということ。
何度も録り直した末の1本かもしれないし、音声や映像を編集している場合もあります。
それに、使っているピアノや録音環境も人それぞれ。
スタジオのグランドピアノで高音質マイクを使って録った演奏と、自宅でスマホ録音したものとでは、同じ人が弾いてもまったく印象が違ってきます。
さらに言えば、そこに至るまでの練習時間や努力の積み重ねは、外からは見えません。
私たちが見ているのは、あくまで「成果の一部」でしかないのです。
だから、SNSの演奏と自分をそのまま比べる必要はありません^^
表に出ている“完成形”だけを見て落ち込まず、「私も自分のペースで続けていけばいい」と、少し肩の力を抜いていきましょう。
そもそも「上手さ」って何?


SNSで誰かの演奏を聴いたとき、「なんて上手なんだろう」と感じることもあると思います。
でも、その「上手さ」って、いったい何を指しているのでしょうか?
確かに、技術的な正確さはピアノ演奏において大切な要素です。
でも、「音楽」として心に残る演奏は、単に正確に弾けているかどうかだけで決まるものではありません。
少しテンポが揺れていたり、音が荒かったりしても、なぜか感動する演奏に出会うことがあります。
そこにあるのは、その人らしい音の出し方、曲に対する思い、長く弾いてきたからこそにじみ出る深み。
そうした“個性”や“味わい”こそ、聴く人の心を動かすのです。
むしろ、大人になってからピアノに向き合うことで、子どもの頃には持ち得なかった表現力や人生経験が、自然と音ににじみ出てくる。そういう「上手さ」もあるはずです。
技術だけではない「自分らしさ」を大切にすること。
それも、趣味としてピアノを続けるうえでの豊かな楽しみのひとつです!
大人のピアノに必要なのは「自分基準」


大人になってからピアノを始めた(あるいは再開した)人にとって、いちばん大切なのは「自分はどうしたいのか」という軸です。
ピアノとひとことで言っても、目指すところは人それぞれ。
- 昔から憧れていたあの1曲を、何とか最後まで弾きたい
- 難しくなくても、音楽の奥深さをじっくり味わっていきたい
- 発表会や動画投稿など、何かしらの目標に挑戦してみたい
どの目標も立派ですし、どれも“正解”なのです。
逆に言えば、「他の人と比べて自分は…」と感じてしまうのは、自分の目標がぼやけてしまっているサインかもしれません。
誰かと比較して気分が沈むときこそ、「私はどうなりたい?」「どこに喜びを感じる?」と、自分に問い直してみましょう。
もしどうしても何かと比べたくなったら、それは「昨日の自分」で十分!
昨日よりも少し楽譜が読めた、少しきれいな音が出た——そんな小さな成長を感じられたら、ピアノのある毎日はきっともっと楽しくなります。
気持ちが楽になるちょっとした工夫


上述した通り、比べて落ち込んでしまうのは、誰にでもあること。
でも、少しだけ工夫すれば、気持ちの持ち方をやわらかくすることができます!
以下で詳しく説明しますね^^
SNSとの付き合い方を見直す
どうしても気になるなら、いっそ「SNS断ち」や時間制限をしてみるのも手。
また、演奏動画を「比べる対象」ではなく、「参考になるヒント」として見るよう意識を変えるだけでも、ずいぶん楽になります。
気づいたらスマホ片手に、他の人の演奏動画を見てしまっているという方は一旦冷静になってみてください。



私は、かなり落ち込んでしまった時この方法をまず最初に試しました。とにかくSNSは見ない!心が落ち着いて、ポジティブに他の方の演奏が聞けるようなったら、その時はSNS復活です。
練習日記をつける
日々の練習内容や感じたことをメモしておくと、自分だけの成長の記録になります。
あとで見返したとき、「こんなに続けてきたんだ」「前はこのフレーズで悩んでたな」と、自分の歩みが可視化され、励みになります。
誰かに聴いてもらう・話してみる
自分では気づかない成長も、他人の耳には伝わっていることがあります。
身近な人にちょっと聴いてもらうだけでも、「思ったよりよかった」と言われてホッとしたり、気持ちがリセットされることも。
もし先生がいるなら、もやもやを正直に話してみるのもおすすめです。
——「楽しみたくて始めた」その気持ちを取り戻すために、環境を少し変えてみるのも、立派な前進です。
まとめ


誰かと比べて落ち込んでしまうとき、「私には向いてないのかも…」と感じてしまうかもしれません。
でも、ピアノは誰のものでもなく、自分の楽しみ方で続けていい音楽です。
上手さや速さだけがゴールじゃなく、
「昨日より少し気持ちよく弾けた」
「この曲が好きになった」
そんな小さな喜びの積み重ねこそが、大人の趣味ピアノの醍醐味ではないでしょうか^^
焦らなくて大丈夫です。
あなたのペースで、あなたの音楽を育てていきましょう♪
私も一緒に頑張ります!
最後までご覧いただきありがとうございました♪