【初心者も中級者も見よう!】ピアノコンクールの楽しみ方完全ガイド

ピアノコンクール、と聞いてみなさんはどんなイメージが浮かびますか?

「すごい人たちが出てるんだろうけど、難しそう」と思う方もいるかもしれません。

でも実は、ピアノを習っている人はもちろん、そうでない方にとっても楽しめるポイントがたくさんあるんです。

  • 演奏会とはまた違う、張りつめた空気と熱い演奏!
  • 推しを見つけて応援する楽しさ!
  • 楽譜を片手に聴いてみる“オタク的な”味わい方まで!

この記事では、そんなピアノコンクール鑑賞の魅力を、初心者さん・中級者さんそれぞれの視点から紹介していきます。

ぜひあなたなりの楽しみ方を見つけてみてくださいね。

当ブログでは、ショパン国際ピアノコンクールをはじめ様々なコンクールの感想ブログをたくさん綴っています。もしご興味がございましたらコチラから覗いてみてくださいね♪

この記事を書いている人

アガサ
このブログの運営者及び管理人


3歳からピアノを始め、クラシック音楽歴は30年以上。結婚・出産を経て育児の合間にピアノを再開し、念願のグランドピアノも迎えました。
現在はピアノ教室向けのグラフィックデザイナーとして、全国の先生方をサポートしています。
ピアノとクラシックをこよなく愛する主婦が、音楽やピアノにまつわる情報を気ままに発信中です♪

この記事はこんな方にオススメ!
  • ピアノコンクールに興味はあるけれど、どう楽しめばいいかわからない初心者の方
  • 日頃からクラシック音楽を聴いていて、コンクール鑑賞をもっと深く味わいたい方
  • 若手ピアニストの真剣勝負や未来のスターを見つけたい音楽ファン
目次

コンクールってそもそも何?

コンクールは「勝負の場」!

ピアノコンクールは、順位や評価がつく競技の場なので、一音にかける緊張感が、演奏会や発表会とは少し違います。

そのため、演奏者の集中力や気迫が段違い!

ステージに立つ全員が「ここで何かを掴みたい」という覚悟を持って弾いています。

その緊張感や張り詰めた空気も、演奏会とはまた違う見どころのひとつです。

実力派の若手が勢揃い

国際コンクールには、プロとしてのキャリアを目指す精鋭が集まります。

まだ世に知られていない若手ピアニストたちが、一斉に注目を浴びるチャンスの場でもあります。

後に有名になる演奏家や未来のスターを発掘できるのもコンクールの醍醐味なのです♪

アガサ

アガサは、ショパン国際ピアノコンクールを配信でずっと見ていて、それまで存じ上げていなかったブルースリウさん(第1位)のファンになりました!リサイタルにも行き素晴らしい演奏に感銘を受け、ピアノライフがより豊かになりましたよ^^

1日で何人ものピアニストを一気に聴ける貴重な機会

通常のリサイタルでは、1回の公演で聴けるのは1人、多くても数人です。

それに対してコンクールでは、1日に何人もの演奏者が次々と登場します。

同じ曲を弾く場合でも解釈がまったく違ったり、全然知らなかった曲との出会いがあったりと、密度の濃い音楽体験ができるのも大きな魅力です。

自宅でも気軽に観られる

近年では、主要な国際コンクールがYouTubeや公式サイトでライブ配信・アーカイブ配信を行うようになってきました。

「チケットを買って会場に行くのはハードルが高い」という方でも、自宅でリラックスしながら本格的な演奏が楽しめる時代です。

スマホひとつでも気軽に鑑賞できるので、ぜひ一度気軽に試してみてください^^

世界三大ピアノコンクールは要チェック!

世界中でたくさんの国際コンクールがありますが、中でも「世界三大ピアノコンクール」と呼ばれるものがあります。

全音楽家の憧れのコンクールは、世界各国より若手〜ベテラン勢までの素晴らしい才能と技術を持った方々が勢揃いします。

以下で簡単にご紹介する、この「世界三大ピアノコンクール」は、まず初めにチェックして欲しい重要なコンクールです^^

ショパン国際ピアノコンクール(ポーランド・ワルシャワ)

5年に1度開催される、ショパン作品だけで競われる特別なコンクール
芸術性が重視され、感性の合う演奏に出会えたときの感動はひとしお。
優勝者は一躍世界的な注目を浴びる。

歴代日本人入賞者:中村紘子(第4位)・内田光子(第2位)・海老彰子(第5位)・横山幸雄(第3位)・反田恭平(第2位)・小林愛実(第4位)etc…

チャイコフスキー国際コンクール(ロシア・モスクワ)

音楽全体の総合コンクールで、ピアノ部門も世界的に権威ある存在。
技術・音楽性ともに極限まで求められるハイレベルな舞台。

2022年4月、国際音楽コンクール世界連盟はロシアのウクライナ侵攻を受けて、チャイコフスキー国際コンクールの排除を決定しました。

ピアノ部門 歴代日本人入賞者:小山実稚恵(第3位)・上原彩子(第1位)・藤田真央(第2位)etc…

エリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー・ブリュッセル)

課題曲が広範で、即興的な対応力や独創性も試される多角的な審査内容。
現代音楽や室内楽など、演奏者としての総合力が問われるのも特徴。

ピアノ部門 歴代日本人入賞者:松本和将(第5位)・務川慧悟(第3位)・阪田知樹(第4位)etc…

初心者さんの楽しみ方

とにかく“感じて”みるだけでOK!

「クラシックは難しそう」と思わず、まずは気軽に聴いてみることが一番

ピアノの音色に癒されたり、「この人の演奏、なんだか好き」と思えたら、それで十分楽しんでいる証拠です。

細かい知識や曲の解釈はあとからついてきますので、最初は“直感”を大切にしましょう。

一人お気に入りを見つけてみよう

何人もの演奏を聴いているうちに、「この人の音、好きだな」と感じるピアニストが出てくるはず。

そうした“推し”を見つけて、その後のラウンドも追いかけてみると、応援する楽しみが生まれます。

SNSや配信コメントで他の人の感想を見るのも、視点が広がって面白いですよ^^

よく出る曲をチェックしておくと◎

「何を弾いているのかよくわからない」というときは、まずはよく出てくる定番曲をひとつ覚えておくと便利です。

たとえばショパンコンクールなら「バラード第1番」や「エチュード」などなど・・・定番曲が頻繁に登場します。

「この曲、前にも誰かが弾いてたな」と思えると、自然と耳が育ってきます。

気になった曲はあとで調べてみよう

演奏中にタイトルが分からなくても問題なし!

「すごかったな」と思ったら、あとでアーカイブやセットリストを見て調べてみましょう。

コンクールによっては、曲の弾きはじめに動画内で曲名等を出してくれるものもありますので安心してください^^

そこから作曲家や曲に興味を持てたら、クラシック音楽との距離がぐっと縮まります♪

中級者さんの楽しみ方

楽譜を見ながら聴くと発見が倍増!

ある程度楽譜が読める方には、楽譜を見ながらの鑑賞が断然おすすめです!

「このフレーズ、こんな風に表現するんだ」「ここ、ペダルを切ってる!」など、演奏者ごとの解釈が手に取るようにわかります。

技術的な工夫やテンポの揺らし方など、自分の演奏にも活かせるヒントがたくさん見つかるはずです。

楽譜は様々な出版社が出していて非常に多くの種類があります。
もし、ショパンの楽譜を購入する際は、「パデレフスキ版」「エキエル版」「コルトー版」「全音版」のいずれかがオススメ!
以下で簡単に説明していますね♪

パデレフスキ版

長年スタンダードとされてきた校訂版安定した信頼感があります。昔からショパンといえば、パデレフスキ版と言っても過言ではないです。
もし専門的にピアノを演奏したり見比べたいならエキエル版とパデレフスキ版の両方使って比較するのがオススメ。

アガサ

アガサは、エキエル版よりパデレフスキ版の方が読みやすく好きなので、この「パデレフスキ版」で揃えていますよ♪

エキエル版

最新の研究に基づいた原典版。近年のショパンコンクールではこれが推奨されています!国内版が順次発売されているので、昔よりは買いやすいお値段になりました^^これを買っておけば間違いない。

コルトー版

演奏家アルフレッド・コルトーによる詳細な運指・解釈付き。メインで演奏する際の楽譜としては、解説が入っているため1曲のページ数が多くなり譜めくりが多く必要になるので、参考意見として読むのがおすすめ!

全音版

日本で広く普及している入手しやすく親しみやすい版。他の楽譜に比べて安価で手に入れやすく、日本人の手のサイズに合った効率的な運指が数パターン書かれていたり、解説も入っているので読みやすいです。
「まず最初の1冊をとりあえず手頃な価格で揃えたい!」場合は、オススメ。

同じ曲の違いを比べる楽しさ

コンクールでは同じ課題曲を複数のピアニストが演奏することがよくあります。

フレーズの歌い方、ルバートの幅、強弱のコントラスト……どこをどう重視して弾いているかを聴き比べてみると、その人の音楽観が浮かび上がってきます。

まさに“音で語る個性”を味わう時間です♪

音のクオリティ・構成力などをじっくり観察

テクニックの精度はもちろん、音の密度や響きのコントロール、全体の構成力など、演奏全体の完成度を冷静に観察する目も養われます。

「この人は音色のパレットが多彩だな」「構成が自然で引き込まれるな」といった評価軸で見ていくと、より多面的に楽しめます。

あえて“自分だったらどう弾くか”を考えてみる

中級者ならではの楽しみとして、「自分が弾くならこうするかも」と想像しながら聴くのもおすすめです。

その演奏に納得できる部分、違和感を感じる部分を言語化してみると、自分自身の音楽観がより明確になります。

鑑賞を通じて得られるもの

コンクール鑑賞は、「聴く」行為の中に、さまざまな気づきや刺激が詰まっています。

それは演奏の技術や表現を超え、音楽との向き合い方そのものを深めてくれる時間でもあります。

演奏の前後に見せる演奏者の表情、緊張感、終わった瞬間の手の動き――そうした舞台上のすべてに、音楽を作り出すための集中と覚悟が宿っています。

単に「うまい」「すごい」といった感想にとどまらず舞台に立つということの重みや覚悟が伝わってくるのも、コンクールならではの体験です。

また、審査という枠組みの中で音楽が披露されることで、聴き手としても「何が評価されるのか」「どんな点が光っているのか」といった視点が自然と育っていきます。

それは、音楽をより客観的に見つめる力にもつながり、自分が演奏する立場のときに「聴かれ方」を意識するきっかけにもなります。

そして何より、何人もの演奏を集中して聴くことで、音楽を持続的に受け取る集中力や感受性が育っていきます。

たとえ1日1人でも、続けて聴いていくことで耳と心は確実に変化していくものです♪

これは、日々の練習だけではなかなか得られない貴重な経験と言えるでしょう^^

まとめ

コンクール鑑賞は、ただ「聴く」だけにとどまらず、学びや感動が詰まった奥深い世界であると、なんとなくお分かりいただけたでしょうか^^

一流の若手演奏家たちの真剣勝負を、自由なスタイルで楽しんだり好きなピアニストを発見しましょう!

また、自分の耳もどんどん育ち、表現のヒントが見つかり、演奏への思いもきっと変わってくるはずです!

ぜひ、今回ご紹介した楽しみ方を参考に、コンクール鑑賞を楽しんでみてくださいね^^

最後までご覧いただきありがとうございました!

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