ピアノを習っているお子さんから突然「ピアノを辞めたい」と言われたら、親としては驚いてしまいますよね。
つい引き止めたくなる気持ちもありますが、まずはその理由に耳を傾けることが大切です。
この記事では、「やめたい」と言われたときに親ができること、声のかけ方や判断のヒントをまとめました。
いざというとき、少しでも気持ちが楽になる参考になれば、嬉しいです♪
この記事を書いている人

アガサ
このブログの運営者及び管理人
3歳からピアノを始め、クラシック音楽歴は30年以上。結婚・出産を経て育児の合間にピアノを再開し、念願のグランドピアノも迎えました。
現在はピアノ教室向けのグラフィックデザイナーとして、全国の先生方をサポートしています。
ピアノとクラシックをこよなく愛する主婦が、音楽やピアノにまつわる情報を気ままに発信中です♪
- お子さんから「ピアノをやめたい」と言われて困っている親御さん
- 子どもの習い事の続け方や辞め時を見極めたい保護者
- ピアノを続けるか辞めるかの判断に迷っている家庭
「やめたい」と言われたとき、まず親が考えたいこと

突然「ピアノやめたい」と言われると、親としては戸惑ったり、つい焦ったりしてしまうものですが、まず、すぐに答えを出す必要はありません。
少しだけ立ち止まって、「どうして始めたんだっけ?」「どうして辞めてほしくないと思うんだろう?」と、自分自身の気持ちを整理することから始めてみましょう。
具体的に考えることは、以下の3つのポイントです。
- ピアノを始めた理由を思い出す
- 辞めさせたくない気持ちの“本音”を探る
- 他のことに置き換えたらどう思うか(視点を変える)
詳しく、みていきましょう♪
ピアノを始めた理由を思い出す
まずは、お子さんがピアノを始めた「そもそもの理由」を思い出してみましょう。
お子さんが音楽に興味を示したから?
何かひとつ打ち込めることを身につけさせたかったから?
あるいは、親御さんが情操教育や集中力を育むために、と言うことが始まりだったかもしれません。
初心を振り返ることで、「続けてほしい」と願う気持ちが感情なのか目的なのかが見えてきます。
今、その理由は変わってきているのか、変わらず大切にしたいものなのか、立ち返ることで次の判断へのヒントが得られることもあります。
辞めさせたくない気持ちの“本音”を探る
「やめたい」と言われたとき、親として心がざわつくのは自然なことです。

せっかくピアノを用意したのに!



ここまで弾けるようになったのに、もったいない・・・。



教室の発表会が近いのに!
このような思いが浮かんでくるかもしれません。
そのときは、一度立ち止まって、自分自身の気持ちを見つめ直してみましょう。
辞めさせたくないのは、本当に子どものためでしょうか。
それとも、自分の希望や理想、周囲の目が影響している?
親の“本音”に気づくことで、子どもにとって本当に必要なサポートが見えてくることもあります。
他のことに置き換えたらどう思うか(視点を変える)
「ピアノをやめたい」と言われると、他の習い事よりも強く反応してしまう親御さんは少なくありません。
ピアノという習い事は他の習い事に比べて、楽器を用意する必要があったり毎日の練習のサポートが必要ですし、月謝も決して安くはないからです。
それだけピアノに特別な思い入れがあるということですが、ここで少し視点を変えて考えてみるのもひとつの方法です。
たとえば、「水泳をやめたい」「習字をやめたい」と言われたら、どんなふうに感じますか?
同じように真剣に考えるでしょうか、それとも「あっそうなんだ」と受け流すかもしれません。
そこで、ピアノを辞めさせたくない自分の本音というのが見えてくる可能性があります。
子どもに対してできること(具体的な対応)


では、次に実際にお子様に対してできることを見ていきましょう。
ポイントは、以下の5つです!
- すぐに答えを出さず、気持ちを丁寧に聞く
- 「やめたい理由」の背景を探る(難しい?楽しくない?時間がない?)
- 小さな成功体験を作ってみる
- 一時的な「お休み」も選択肢に
- 先生と連携してフォローしてもらう
すぐに答えを出さず、気持ちを丁寧に聞く
「やめたい」と言われた瞬間、つい「なんで?」「ダメよ」と反射的に返したくなるもの。
でも、まずはぐっとこらえて、お子さんの気持ちにじっくり耳を傾けてみましょう。
大事なのは、すぐに結論を出すことではなく、子どもの声を受け止めること。
「そう思ったんだね」「つらかったんだね」と、気持ちに共感する言葉を添えることで、子どもも安心して本音を話しやすくなります。
話の中に、次のステップにつながるヒントが隠れているかもしれません。
「やめたい理由」の背景を探る(難しい?楽しくない?時間がない?)
「やめたい」と言うとき、その裏には必ず何かしらの理由があります。
ただ「飽きた」だけに聞こえても、実は「曲が難しくなってついていけない」「学校や他の習い事で時間がなくて疲れている」といった背景があることも。
表面の言葉だけで判断せず、なぜそう思うのか、どこに困難を感じているのかを一緒に探っていきましょう。
問題の本質がわかれば、意外と簡単に解決できることもあります。
小さな成功体験を作ってみる
「うまくいかない」「できない」という挫折感が積もると、やる気はどんどん下がってしまいます。
そんなときこそ、小さな「できた!」を実感させてあげることが大切です。
たとえば、短いフレーズをきれいに弾けた、先生に褒められた、新しい曲にチャレンジできた——そんな些細な達成でも、子どもにとっては大きな自信につながります。
成功体験を意識的に積ませていくことで、やる気が少しずつ回復していくこともあります。
一時的な「お休み」も選択肢に
「やめる」か「続ける」かの二択にしてしまうと、どちらを選んでも後悔が残ることがあります。
そんなときは、いったんお休みするという柔軟な選択肢も考えてみましょう。
しばらく離れてみることで、本人の中に「やっぱり弾きたい」「もう少し頑張ってみようかな」という気持ちが芽生えることも。
気持ちをリセットする時間が、今後の方向性を考えるうえで大きな意味を持つこともあります。
先生と連携してフォローしてもらう
保護者だけで抱え込まず、先生に相談してみることも大切です。
レッスン中の様子や最近の練習への取り組み方など、先生だからこそ気づいていることも多くあります。
また、子どもが先生には話せることもあれば、逆も然り。
第三者として、冷静な視点からのアドバイスやフォローがあることで、親子だけでは見落としがちな気づきを得られることもあります。
一緒に考えてもらえる存在がいるのは、とても心強いものです!
実際どう判断する?「やめる」「続ける」の見極めポイント


では、ここからは実際に「やめる」「続ける」の判断の見極めるポイントをご紹介していきます!
ポイントは以下の4つです。
- 子どもの様子に“伸びしろ”があるか
- 親子ともにストレスが限界にきていないか
- ピアノ以外に何か興味のあることが出てきたか
- 本人が「自分で決めた」と思えるようにする
子どもの様子に“伸びしろ”があるか
「やめたい」と言っているからといって、必ずしもそのままピアノを辞めるべきとは限りません。
時には、ちょっとした壁にぶつかっているだけのこともあります。
例えば、難しい曲に挑戦しているとき、技術的にまだ慣れていない段階で「できない」と感じているかもしれません。
しかし、そのような時期こそ、少し頑張れば乗り越えられる伸びしろがあるかもしれません。
練習している様子や、練習を続けた後の達成感の変化を見守り、成長の兆しを感じたら、もう少し続ける価値があるかもしれません。
親子ともにストレスが限界にきていないか
親も子どももお互いにストレスが溜まっている状態では、ピアノの練習がうまくいかなくなってしまいます。
もし、ピアノの練習が毎回のようにイライラや負担を感じるものになっているなら、一度立ち止まって状況を見直すことが必要です。
親が「どうして練習しないの?」と叱ってばかりだと、子どもはますますやる気を失うことがあります。
反対に、子どもが練習を嫌がり、泣いたり怒ったりするようであれば、しばらくペースを落としてみるなど、環境を変えてみるのも一つの手です。
親子の心の余裕を保てるかどうかも、続けるかどうかを判断する大切なポイントとなります。
ピアノ以外に何か興味のあることが出てきたか
子どもがピアノ以外に強い興味を示している場合、それを無視することはできません。
新しいことに挑戦したいという気持ちが芽生えた時、ピアノを続けることがそれに影響を与えている場合もあるからです。
たとえば、他の楽器やスポーツ、勉強等に強く興味を持ち始めた時は、その気持ちを尊重し、どう向き合うかを一緒に考える時期かもしれません。
しかし、興味の対象が一時的なものか長続きしそうなものかを見極め、子どもと一緒に話し合いながら判断することが重要です。
本人が「自分で決めた」と思えるようにする
最終的に「やめる」「続ける」の決断は、親が強く引っ張るのではなく、子ども自身に選ばせることが大切です!
まだ幼児期ですと、子供だけで判断というのは難しいので必ず話し合いが必要になりますが、ある程度の年齢で自分で物事を判断できるようになる年齢であれば、これは大切なことです。
子どもが自分で決めることができると、自信を持って次の一歩を踏み出せるからです。
決断を急がず、子どもに時間を与え、じっくり考えさせることが必要です。
「やりたいなら続けて、やめたいならやめてもいい」と、選択肢を与えることで、子どもは自分の気持ちに向き合い、納得した結果に至りやすくなります。
この過程を通じて、自分で決める力を育むことにもつながります。
続けるにしても辞めるにしても大事なこと


「やめたい」と思う瞬間が来ることは、成長過程において避けられないこともあります。
どちらの決断を下すにせよ、親として心に留めておきたい大事なことがあります。
これから紹介するポイントを意識することで、どんな選択でも両者にとっていい結果となるはずです!
- 親の価値観を押しつけすぎない
- 辞めたとしても「経験」は必ず残る
- 最後まで「やってよかった」と思えるようにするために
親の価値観を押しつけすぎない
親としては、上述したように子どもにピアノを続けてほしいという気持ちが強くなることもあります。
しかし、親の価値観や期待を過度に押しつけることは、子どもの意欲を失わせる原因になりかねません。
自分がやりたいと思ったことを続けることは、どんな分野でもモチベーションに繋がります。
親がその気持ちを尊重し、あくまでサポート役に徹することで、子どもは自分の意志で決断しやすくなります。
子どもがピアノに対してどう感じているのか、しっかりと気持ちを聞き、意見を大切にしましょう。
辞めたとしても「経験」は必ず残る
もしピアノを辞めることになったとしても、それが無駄な経験になってしまうわけではありません。
ピアノを学ぶ中で得た集中力や忍耐力、音楽を楽しむ力は、必ず別の場面で生かされるものです。
音楽の基礎を学んだこと、練習を積み重ねてきたこと、そのすべてが今後の人生において大きな財産になります。
ですので、「辞めること」そのものに対して過度にネガティブな印象を持つ必要はありません。
重要なのは、その経験をどう活かしていくか、子どもと一緒に考えることです。
最後まで「やってよかった」と思えるようにするために
続けるにしても辞めるにしても、「やってよかった」と思える形で終わらせることが大切です。
もしピアノを続けるなら、途中で投げ出さず、ゴールまでやりきることが自信に繋がります。
逆に辞めることになった場合でも、無理に引き止めず、最後には「やりきった!」という気持ちで終わらせることが、次への一歩を踏み出す力になります。
そのためには、途中で見失いがちな「目的」を思い出し、どんな結果でもその経験を大切にできるよう、子どもと一緒に振り返りながら進んでいきましょう。
まとめ


ピアノを「やめたい」と言われると、親としては戸惑いや寂しさ、時には焦りも感じてしまうもの。
でも、その一言の奥には、子どもなりの思いや状況が必ずあります。
大切なのは、親の想いと子どもの気持ち、どちらか一方に偏ることなく、じっくりと向き合っていくこと。
そして、どんな選択をするにしても、子ども自身が納得して次に進めるよう、寄り添いながらサポートしていくことだと思います。
ピアノを続けることも、辞めることも、どちらにも意味があり、無駄な経験なんて一つもありません。
音楽にふれた時間が、子どもの心に温かく残っていくよう、そっと見守っていけたら素敵ですね。
最後まで、ご覧いただきありがとうございました!