
モインモイン!みなさんこんにちは♪
ピアノ大好き主婦で、管理人のアガサです^^
ショパン国際ピアノコンクールの予備予選、10日目(5月2日開催)が終了しました。
予備予選も終わりが近づいてきましたね。
これまで全ての予備予選の感想を曲名と共に記録してきましたが、見返してみるとたまに曲名が間違っていることがあります。(調性とか作品番号とか;;)
過去記事を見返したときに気づいたらすぐ訂正していますので、ご了承いただけると幸いです;;
ということで、今日も感想を綴っていきますよ〜!
前回(予備予選9日目)の感想は以下のリンクよりご覧ください^^


ご覧いただいている皆さんも、配信をご覧いただきながらご自身の感想と照らし合わせながら読んでいただくとまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。
ぜひ、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです^^
予備予選:2025年4月23日(水)〜2025年5月4日(日)
予備予選通過者発表:5月6日(火)17時30分(現地10時30分)配信あり
開会記念コンサート:10月2日(木)
1次予選:10月3日(金)〜10月7日(火)
2次予選:10月9日(木)〜10月12日(日)
3次予選:10月14日(火)〜10月16日(木)
本選:10月18日(土)〜10月20日(月)
上記は全て2025年4月23日時点での情報です。
変更となる場合がありますので必ず以下の公式サイトをご参照ください。


10日目 昼の部 感想
奥井紫麻(日本)17:00
7歳からエレーナ・アシュケナージに師事。2022年 パデレフスキ国際ピアノ・コンクール入賞。2024年 ジュネーヴ・フレデリック・ショパン協会よりPrix Mireille Klemmを受賞。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- ノクターン第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- マズルカ 変ロ短調 Op.24-4
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
非常に落ち着いた佇まいで、全体を通して丁寧に、そして伸びやかに演奏されていたのが印象的でした。
細部にまで意識が行き届いていて、きめ細やかな音作りが感じられました。
特にスケルツォ第2番では、繰り返しの部分でさりげない変化が施されていて、聴いていてとても楽しく、最後まで飽きずに引き込まれました。
この日のトップバッターというプレッシャーがある中でも、それをまったく感じさせない素晴らしい演奏だったと思います!
Harmony Zhu(カナダ)17:30
8歳よりヨヘヴェド・カプリンスキーに師事。ジュリアード音楽院協奏曲コンクールで最年少優勝。チェスの選手としても活躍しているそうで、世界ユース・チェス選手権で優勝。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- ノクターン第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- エチュード ハ短調 Op.10-12 「革命」
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
しっかりとした実力を存分に発揮されていて、安心して聴くことができました。
特に緩急のつけ方がとても自然で、音楽の流れが生き生きとしていたのが印象的です。
一つひとつのフレーズに気持ちが込められていて、とても魅力的な演奏だったと思います。
Jingting Zhu(中国)18:00
2020年よりロバート・マクドナルドに師事。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
- エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
- ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
全体的に丁寧にまとめられていて、安定感のある演奏でした。
綺麗に仕上がっている一方で、個性という点では欲を言うともう少し印象に残るような要素があるとさらに惹きつけられるかもしれません。
それでも、一音一音に対する真摯な向き合い方はしっかりと伝わってきました。
スケルツォ4番の重みはさすがです!THE・貫禄!と言う感じ。
会場で生で聴きたいなー!!(欲望。)
特に個人的には、ノクターンも美しく抒情的で素敵だったと思います♪
Vladimir Acimovic(セルビア)18:30
2022年 グラーツ・マルタ・デベッリコンクール第1位。2023年 EU若い人のための音楽コンクール第2位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
- マズルカ 嬰ハ短調 Op.30-4
非常に洗練された演奏で、全体を通してセンスの良さが感じられました。
1曲目のマズルカからルバートがやや大胆に感じられる場面もあり、好みが分かれる可能性はあるかもしれませんが、決して不自然ではなく、ご自身のスタイルとしてうまく昇華されていたと思います。
なんというか「オシャレなマズルカ」で、個人的には良かったと思います♪
芯のある表現で、印象に残る演奏でした。
尼子裕貴(日本)19:30
2018年 日本音楽コンクール第3位。2022年 トビリシ国際ピアノコンクール(ジョージア)第2位。2024年 フンメル国際ピアノコンクール(スロバキア)第2位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
- エチュード ロ短調 Op.25-10
- ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
- マズルカ ト長調 Op.50-1
この日、日本からは2人目の尼子さんの登場です。
緊張されていた様子も感じられましたが、それでも彼自身の音楽性や伝えたいものはしっかりと伝わってきたように思います。
どの曲も丁寧に取り組まれていて素敵でしたが、特に印象的だったのはスケルツォ第3番。
キラキラと流れる流星と、それを静かに受け止める大地のような情景が思い浮かぶようで、音のコントラストがとても魅力的でした。(表現がこれしか想像できず・・・、陳腐ですみません;;)
コーダの迫力も素晴らしく、聴き応えのある演奏で素晴らしかったです!
Yanyan Bao(中国)20:00
2021年 ミネソタ国際ピアノe-コンクール (Aspires) 第1位。2023年 若いアーティストのためのクリーヴランド国際ピアノコンクール第2位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ イ短調 Op.59-1
今日は珍しく女性奏者が多く、それだけでなんだか心が弾むような気持ちに♪(笑)
1曲目のノクターンから、まるで語りかけるような優しい音色に引き込まれました。
音楽に嘘がなく、純粋で素直な気持ちがそのまま音になっているようで、聴いていて心が洗われるような感覚に。
ありがとう!と、なぜか自然に言いたくなるような演奏でした。
そして改めて思うのが、中国勢の層の厚さと勢いの凄まじさ。
圧倒されるばかりですね・・・。
Michal Basista(ポーランド)20:30
ミレーナ・コンドラに師事。2023年 国際シマノフスキ音楽コンクール in カトヴィツェ セミファイナリスト。
使用ピアノ:YAMAHA
- エチュード ハ短調 Op.10-12 「革命」
- エチュード ハ長調 Op.10-7
- ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
- マズルカ 嬰へ短調 Op.59-3
1曲目の「革命」から圧倒されるような迫力で、一気にステージの空気が変わったように感じました。
強い音でも決してうるさくはなく、どこか鬼気迫るような集中力が伝わってきて、明暗のコントラストのつけ方も非常に巧み。
この日初めて使用されたYAMAHAのピアノの温かみある音色とも相性が良く、芯のあるサウンドに彩りを添えていたように思います。
余談ですが、めちゃくちゃ小顔でイケメ(ry
緑色の靴下もオシャレで素敵でし(ry
10日目 夜の部 感想
さて、続いては夜の部の感想に行きます!
Nicolas Bourdoncle(フランス)0:00
2023年 アニマートショパン国際ピアノコンクール上位入賞。2024年 チッタ・ディ・カントゥ国際ピアノコンクール上位入賞。
使用ピアノ:YAMAHA
- ノクターン第18番 ホ長調 Op.62-2
- エチュード 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」
- エチュード ロ短調 Op.25-10
- マズルカ イ短調 Op.59-1
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
ここまできて、最初の数音聞いただけでスタインウェイかヤマハか瞬時に聞き分ける能力が最上級になってきました。(みなさん分かるわ。)
エチュード25-10は凄まじい音と言う感じで、大迫力。
スケルツォコーダも、ヤマハのフルコンフルパワー轟音!!!(語彙力。)
結構、全ての曲で派手な印象でした^^
Simon Burki(スイス)0:30
セルゲイ・ババヤンに師事。フランツ・リスト国際若手ピアニストコンクール(ワイマール)第1位、サンクトペテルブルク(ロシア)A Step Towards Masteryコンクール第1位、リェイダ(スペイン)リカルド・ビニェス国際ユース・ピアノコンクール第2位。
使用ピアノ:YAMAHA
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード イ短調 Op.25-4
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
- マズルカ 嬰へ短調 Op.59-3
全体を通して軽やかで繊細なタッチが印象的で、とても素敵な演奏でした。
音の粒立ちも美しく、特に静かな場面ではその美点が際立っていたように思います。
ただ、スケルツォのパッセージではところどころ音が抜けてしまう箇所があり、せっかくのキラキラとした流れが少し惜しく感じられました。
タッチの繊細さゆえかもしれませんが、それだけにもう少し響いてくれたら…と思わずにはいられませんでした。
Michelle Candotti(イタリア)1:00
アンドレア・バルディ国際コンクール第1位、2021年 第18回ショパン国際ピアノコンクールセミファイナリスト。2023年 アマデウス国際ピアノコンクール第3位。前回も出場。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ 嬰ハ短調 Op.30-4
全体的にとても綺麗で品のある、丁寧に紡がれた演奏という印象を受けました。
音の処理も細やかで、真摯に音楽と向き合っている様子が伝わってきます。
ただ、その一方でやや印象が淡く、個性という点ではもう少し何か光るものが欲しかったという気持ちも。
良質な演奏であるからこそ、さらに一歩踏み込んだ表現が加わってほしいなという感じになったりならなかったり・・・。
Zhiqian Cen(中国)1:30
2017年 Kawaiアジアピアノコンクール第2位。2024年 IPM トビリシ& SEEO 国際協奏曲コンクール第1位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
- エチュード イ短調 Op.25-4
- ノクターン第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ 嬰へ短調 Op.59-3
またひとり、16歳とは思えない才能あふれる演奏家が登場しましたね・・・。
1曲目のエチュード10-4から、圧倒的な疾走感と熱量に驚かされました。
全体を通して非常に高いテクニックを備えていて、それだけでなく、彼女自身の音楽性や感性もしっかりと音に反映されていたのが印象的でした。
若さの勢いに加えて、芯のある音楽づくりが感じられ、これからの演奏もとても楽しみです。
Junho Cha(韓国)2:30
2024年 浜松国際ピアノコンクールで第2次予選進出。
使用ピアノ:YAMAHA
- エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
1曲目のノクターンで左手に少しヒヤッとする場面がありましたが、そこからしっかりと立て直されていて安心しました。
全体的に音の芯がしっかりしていて、一音一音がはっきりと聞こえるタイプの演奏。
スケルツォでは情熱的なアプローチが印象的で、エネルギーに満ちた素晴らしい演奏だったと思います。
個人的に、ヤマハで奏でるスケルツォ1番が好きなんですよね・・・♪笑
今回の予備予選で1番を選曲されている方が圧倒的に少ないので、聴けるとやはり嬉しくなります^^
Kai-Min Chang(台湾)3:00
ダン・タイ・ソンに師事。2023年 リュブリャナ・ピアノコンクール第1位。2024年 リーズ国際ピアノコンクール第4位。前回も出場。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- ノクターン第14番 嬰へ短調 Op.48-2
- スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
- マズルカ 変ニ長調 Op.30-3
この日は素晴らしい演奏者が続いているので、少し戸惑い気味のアガサです。
ユニークな音楽性を持っていらっしゃるなと感じていたところ、師がダン・タイ・ソンさんと知って思わず納得してしまいました(え?)。
絶妙なルバートの使い方が印象的で、自然体のまま個性が際立つ、そんな素敵な演奏でした。
そしてまたアガサの好きなスケルツォ1番が来るんですよね・・・。そりゃ、もう素晴らしい演奏でした。
こういった方々が本当に素晴らしいピアニストだと感じるのは、ショパンの作品に対する深い理解を常に念頭に置きつつ、その中で自分らしい表現を見事に調和させているところ。
こればっかりは、真似しようと思ってもできるものではありません。
あらためて、皆さんそれぞれが一つひとつの作品に対して誠実に、かつ自由に向き合っていて、本当に素晴らしいなと脱帽です。
Xuehong Chen(中国)3:30
2019年 マリア・カナルス国際音楽コンクール第6位。2022年 ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクール第3位。2024年 リーズ国際ピアノコンクール セミファイナリスト。前回も出場。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
- エチュード イ短調 Op.10-2
- エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
- マズルカ 変ロ短調 Op.24-4
余計な装飾を排して、ショパンの音楽そのものをまっすぐに伝えているような誠実な演奏が印象的でした。
まるで教本に載っていそうな、見本のようなアプローチながらも、決して冷たくならず、どこか温もりを感じさせる真面目な音色が心に残ります。
ショパンの魅力を真正面から伝えてくれる、そんな丁寧な演奏でした。
Hyo Lee(韓国)4:00
2021年 若いピアニストのためのルービンシュタイン国際ピアノコンクール 第3位。2025年 ロン=ティボー国際ピアノコンクール第3位。イ・ヒョクの弟。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
- エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
- ノクターン第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
- マズルカ イ短調 Op.59-1
前回のショパコンファイナリストであり、亀井聖矢さんと同着で2023年のロン・ティボー国際コンクールで第1位を受賞したHyek Lee(イ・ヒョク)さんの実弟、Hyo Leeさんです。
エチュード10-4ではラストに少し指がもつれたかな?という場面もありましたが、最後までしっかり弾き切っていたのは見事。
すでに非常に高い技術と音楽性を兼ね備えています。
兄弟揃ってこの実力…恐るべし。
部分的にやや粗さを感じる箇所もありましたが、個人的にはそれほど気にならない範囲だったように思います。
とはいえ、10月からの本選ではさらに厳しい目が向けられるはずなので、そこに向けてのさらなる磨きに期待したいところです。
まとめ
10日目は、15名の方々が演奏されました。
素晴らしい演奏者に、まずは盛大な拍手を♪
10日目でアガサが気になった方々は、以下の8名です!(多いな。)
- 奥井紫麻(日本)
- Harmony Zhu(カナダ)
- 尼子裕貴(日本)
- Yanyan Bao(中国)
- Michal Basista(ポーランド)
- Zhiqian Cen(中国)
- Kai-Min Chang(台湾)
- Hyo Lee(韓国)
さて、次は11日目の感想を記録していきます!
残り2日間、皆さんも一緒に予備予選を楽しみましょう♪