【7日目感想】ショパン国際ピアノコンクール2025【予備予選】

アガサ

モインモイン!みなさんこんにちは♪
ピアノ大好き主婦で、管理人のアガサです^^

ショパン国際ピアノコンクールの予備予選、7日目(4月29日開催)が終了しましたね。

いよいよ予備予選、後半戦ですね〜!

毎日審査されている審査員の方々、スタッフの方々、本当にお疲れ様です。

配信で見られることに感謝しながら、今日も感想を綴っていきます!

前回(予備予選6日目)の感想は以下のリンクよりご覧ください^^

ご覧いただいている皆さんも、配信をご覧いただきながらご自身の感想と照らし合わせながら読んでいただくとまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。

ぜひ、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです^^

ショパン国際ピアノコンクール スケジュール

予備予選:2025年4月23日(水)〜2025年5月4日(日)
予備予選通過者発表:5月6日(火)17時30分(現地10時30分)配信あり
開会記念コンサート:10月2日(木)
1次予選:10月3日(金)〜10月7日(火)
2次予選:10月9日(木)〜10月12日(日)
3次予選:10月14日(火)〜10月16日(木)
本選:10月18日(土)〜10月20日(月)

上記は全て2025年4月23日時点での情報です。
変更となる場合がありますので必ず以下の公式サイトをご参照ください。

目次

7日目 昼の部 感想

Chopin Institute

Eric Guo(カナダ)17:00

前回大会も出場。2023年 ショパン国際ピリオド楽器コンクール第1位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード ハ長調 Op.10-1
  • エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
  • ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
  • スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
  • マズルカ イ短調 Op.59-1

この日の一人目は、前回もショパコン出場のEric Guoさん。

ショパンが生きていた当時の楽器を用いたコンクールで、優勝された実力者ですね。

現代のグランドピアノとはまったく異なるピリオド楽器での経験を経て、その研究成果を今回どのように現代ピアノで表現されるのか注目していました。

Chopin Institute

予備予選で演奏したマズルカOp.59-1を、ピリオド楽器コンクールで演奏されているので、ぜひ聴き比べてみてください♪

1曲目の途中でスマートフォンの着信と思われる音が鳴ってしまうという残念なハプニングがありましたが、それにも動じることなく、ご自身の音楽を貫かれていたのが印象的。

深い理解に裏打ちされた、素敵な演奏だったと思います。

Yubo Deng(中国)17:30

ダン・タイ・ソンに師事。2024年 ニューオーリンズ国際ピアノコンクール第3位。

使用ピアノ:YAMAHA

  • エチュード ロ短調 Op.25-10
  • エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
  • エチュード 嬰ハ短調 Op.25-7
  • マズルカ 嬰ハ短調 Op.30-4
  • スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39

個人的には、大きく印象に残る場面は少なかったなという印象。

ただ、安定感があり、落ち着いて聴くことができました。

後半からぐっと音がクリアになり、音の輪郭がよりはっきりと感じられるようになってきましたし、全体として丁寧なアプローチで、安定感のある演奏でした。

Kiron Atom Tellian(オーストリア)18:00

2020年 エトリンゲン国際ピアノコンクール(B部門)第1位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
  • エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
  • ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
  • マズルカ ロ短調 Op.33-4

非常に多彩な音楽性を感じる演奏でした。

ルバートを効果的に取り入れ、独自の表現で魅せてくれました。

エチュード25-6は、まるで別の作品のような解釈でしたが、決して嫌味ではなく、音楽的な説得力のあるものでした。

好みが分かれるかもしれませんが、個性がしっかりと感じられる印象的な演奏でした。

辻本莉果子(日本)18:30

ジュリオ・ロスピリオージ国際ピアノコンクール(イタリア)第2位、ワルシャワグランドプリックス国際ピアノコンクール(ポーランド)第2位、ラフマニノフ国際ピアノコンクール(日本)第2位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
  • エチュード ホ短調 Op.25-5
  • ノクターン第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
  • スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
  • マズルカ ハ短調 Op.56-3

この日唯一の日本人、辻本さん♪

確かな実力に加え、個性を大切にしながらも軸がぶれることなく、丁寧に音楽を紡いでいたのが印象的。

オーソドックスな美しさも兼ね備えていて、非常にバランスの取れた演奏だったと思います。

Chun Lam U(中国)19:30

ダン・タイ・ソンに師事。2022年 ジョルジェ・エネスク国際コンクール第3位。2024年 マリア・カナルス国際音楽コンクール第3位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
  • エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
  • エチュード イ短調 Op.25-4
  • マズルカ ロ短調 Op.33-4
  • スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39

こういう温かみやぬくもりのある音色、個人的にとても好きです。

真っ直ぐであたたかみのある演奏で、全曲を通して安定感があり、安心して聴くことができました。

エチュードも練習曲としてではなく一つの作品として丁寧に表現されていて、とても良かったと思います。

Liya Wang(中国)20:00

前回も予備予選出場。

使用ピアノ:YAMAHA

  • ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
  • エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
  • エチュード イ短調 Op.25-4
  • マズルカ 変ニ長調 Op.30-3
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54

可憐で美しい演奏。

エチュード10-4はアップテンポで、そういうスタイルとして確立されているのかもしれません。

内声の響かせ方に個性が感じられ、興味深いなーと思いながら聴いていました。

そして、お綺麗。(え?)

演奏後に手を合わせている姿がなんとも可愛いかったです;;(え??)

Quanlin Wang(中国)20:30

2020年 サンタ・チェチーリア国際コンクール第1位。

使用ピアノ:YAMAHA

  • エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
  • エチュード 変イ長調 Op.10-10
  • ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
  • スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
  • マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3

昼の部ラストの演奏は、またもYAMAHA♪

終始、まるで先生がお手本を弾いてくださっているかのような、模範的で端正な演奏。

非常に聴きやすく、無駄な装飾をせずに音楽そのものと丁寧に向き合っている印象でした。

響き一つひとつをしっかり確かめながら奏でられていて、その誠実さが音から伝わってきました。

7日目 夜の部 感想

Chopin Institute

さて、続いては夜の部の感想に行きます!

Ryan Wang(カナダ)0:00

2024年 史上最年少でコルトー賞受賞。2024年 BBCヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー受賞。

使用ピアノ:YAMAHA

  • エチュード 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」
  • エチュード 変イ長調 Op.10-10
  • ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
  • スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
  • マズルカ 嬰へ短調 Op.59-3

個人的にとても好みの音色でした!

18歳とのことですが、演奏を聴いていると本当にそんな若さを感じさせないほど成熟した音楽性をお持ちで驚かされます。

このショパコンでは、若い方が次々と素晴らしい演奏を披露しているので、もはや年齢を聞いても驚かなくなってきましたね・・・。

それでもやはり、この年齢でここまで完成度の高い音楽を奏でられるのはすごいことだと思います。

マズルカではテンポ感を非常に大事にされていて、自然な揺れの中にしっかりと芯があって、とても心地よく聴くことができました。

全体を通して和声を感じながら丁寧に演奏されていたのが伝わってきて、好印象でした。

Yuhang Wang(中国)0:30

2022年 ニューヨーク国際ピアノコンクール アンサンブル部門第1位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード ハ長調 Op.10-1
  • エチュード イ短調 Op.10-2
  • ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
  • マズルカ ロ長調 Op.56-1

エチュードは非常にクリーンな音色で、美しさが際立っていました。ノクターンもまた、繊細で丁寧に歌われていて、とても印象に残りました。

マズルカの途中、指に異変があったのでしょうか…残念ながら途中で演奏が中断となってしまいました。

異変を感じながらもなんとか最後まで弾こうと頑張っていた姿が印象的で、胸がぎゅっとなりました;;

原因ははっきりとはわかりませんが、こうした状況の中でも聴き手の心を動かすような音楽を奏でていたことは確かです。

どうか無理せず、また素晴らしい演奏を届けてくれる日を楽しみにしています!

Zitong Wang(中国)1:00

モンチェ・リウ、エレノア・ソコロフ、ダン・タイ・ソンに師事。2023年 フェルッチョ・ブゾーニ国際ピアノコンクール第6位。前回も出場。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」
  • エチュード ハ長調 Op.10-7
  • ノクターン第14番 嬰へ短調 Op.48-2
  • スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
  • マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3

音の粒立ちが非常によく、一音一音がはっきりと耳に届き、全体を通してとても丁寧に作り込まれた演奏でした。

フレーズの流れも自然で美しく、無理なく音楽が前に進んでいく感じが心地よく伝わってきます。

特に弱音の扱いが繊細で、細部まで神経が行き届いている印象を受けました。

聴き手を優しく包み込むような雰囲気があり、心に残る素敵な演奏でした。

Jan Widlarz(ポーランド)1:30

2022年 ポーランド国内ショパンコンクール ファイナリスト。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード ハ短調 Op.10-12 「革命」
  • エチュード ロ短調 Op.25-10
  • ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
  • マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3

自然な流れの中で音楽が進んでいき、とても綺麗な演奏でした。

時折、音量のバランスが急に変わる箇所があり、少しだけもったいなく感じる場面も。

とはいえ、全体としては丁寧に作り込まれた演奏だったと思います。

そして……指がとても長くて綺麗でした!お顔も美しい!(え?)

Kwan Chai Wong(中立個人参加)2:30

2022年 欧州ベートーヴェン・ピアノ協会ジュニア・インカレ・ピアノ・コンクール第3位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
  • エチュード 変イ長調 Op.10-10
  • ノクターン 第17番 ロ長調 Op.62-1
  • スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 Op.39
  • マズルカ ロ長調 Op.56-1

1曲目のノクターンから、かなり個性の強いスタート。

こういう演奏スタイルなのか、あるいは緊張からの前のめりな演奏なのか・・・。

個人的には、ノクターンはもう少し落ち着いたテンポで聴きたいところ。

表現の仕方には少し戸惑う部分もありましたが、演奏を通して伝えたいことはしっかり伝わってくる演奏だったと思います。

Sze Yuen Wong(中国)3:00

ドミトリ・アレクセーエフに師事。前回も予備予選出場。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • ノクターン第16番 変ホ長調 Op.55-2
  • エチュード ヘ長調 Op.10-8
  • エチュード 変ホ長調 Op.10-11
  • マズルカ 変ロ短調 Op.24-4
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54

全体的にとても誠実な演奏という印象を受けました。

一音一音を大切にしている様子が伝わってきて、安心感があります。

エチュードに関しては、もう少し軽やかさや遊び心が感じられると、より良かったような気もします。(もはやもう、わからない。)

Victoria Wong(アメリカ/カナダ)3:30

2020年 ランカスター国際ピアノコンクール第1位。2020年 国際フリンジアワード第1位。前回も出場。

使用ピアノ:YAMAHA

  • ノクターン第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
  • エチュード ホ短調 Op.25-5
  • エチュード ヘ長調 Op.10-8
  • マズルカ 変ニ長調 Op.30-3
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54

全体的に音が少しバラバラに聞こえてしまう印象がありました。

決して悪い演奏ではないのですが、もう一歩何か惹きつけるものが欲しいところかなと思ったり思わなかったり・・・。

とはいえ、ここまで来られる方々は皆さん本当にレベルが高く、テクニックも音楽性もそれぞれに素晴らしいものをお持ちなので、その中で一際目立つには、やはり「もう一つ何か」が必要になってくるのだと思います。

まとめ

7日目は、14名の方々が演奏されました。

素晴らしい演奏者に、まずは盛大な拍手を♪

7日目でアガサが気になった方々は、以下の3名です!

  • Chun Lam U(中国)
  • Ryan Wang(カナダ)
  • Zitong Wang(中国)

さて、次は8日目の感想を記録していきます。

皆さんも一緒に、引き続き予備予選を楽しみましょう♪

目次