【5日目感想】ショパン国際ピアノコンクール2025【予備予選】

アガサ

モインモイン!みなさんこんにちは♪
ピアノ大好き主婦で、管理人のアガサです^^

ショパン国際ピアノコンクールの予備予選、5日目(4月27日開催)が終了しましたので感想を綴っていきます。

この日も注目の日本人演奏者が出てきましたね♪

もう5日連続でショパンの同じ曲を何度も聞いていますが(笑)、何度聞いてもやはりショパンの曲は美しく、演奏するピアニストによって色が全く違うので、毎日楽しませていただいています!

前回(予備予選4日目)の感想は以下のリンクよりご覧ください^^

ご覧いただいている皆さんも、配信をご覧いただきながらご自身の感想と照らし合わせながら読んでいただくとまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。

ぜひ、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです^^

ショパン国際ピアノコンクール スケジュール

予備予選:2025年4月23日(水)〜2025年5月4日(日)
予備予選通過者発表:5月6日(火)17時30分(現地10時30分)配信あり
開会記念コンサート:10月2日(木)
1次予選:10月3日(金)〜10月7日(火)
2次予選:10月9日(木)〜10月12日(日)
3次予選:10月14日(火)〜10月16日(木)
本選:10月18日(土)〜10月20日(月)

上記は全て2025年4月23日時点での情報です。
変更となる場合がありますので必ず以下の公式サイトをご参照ください。

目次

5日目 昼の部 感想

Chopin Institute

Tommaso Boggian(イタリア)17:00

多数の国際コンクールで入賞。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
  • エチュード ヘ長調 Op.10-8
  • エチュード ハ長調 Op.10-7
  • マズルカ 変ロ短調 Op.24-4
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54

穏やかで暖かな演奏でした。

滑らかなタッチと流れるようなフレーズがとても美しく、聴いていて心が落ち着きました。

繊細な表現と柔らかな音色が印象的で、曲の持つ優しさや深みがしっかりと伝わってきます。

全体を通して流れるようなフレージングと美しいリズム感。

丁寧に演奏されており、聴き手に安心感を与える温かい時間を作り出していました。

Yangyue Qin(中国)17:30

情報がありませんでした;;

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード 変イ長調 Op.10-10
  • エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
  • ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
  • マズルカ 変ロ短調 Op.24-4
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54

静かでどこか儚げな印象の演奏。

優しい音色が全体を包み込むように響いていて、耳に心地よかったです。

ただ、内側から湧き上がるような強いエネルギーや、何かを強く訴えかけてくるものはあまり感じられなかったかもしれません。

優しさに満ちた音楽ではありましたが、もう一歩踏み込んだ深い表現が欲しいところ。

Hao Rao(中国)18:00

前回大会のファイナリスト。2019年 ヴァン・クライバーン国際ジュニアピアノコンクール セミファイナリスト。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
  • エチュード イ短調 Op.10-2
  • ノクターン第16番 変ホ長調 Op.55-2
  • スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
  • マズルカ 嬰ハ短調 Op.30-4

前回のファイナリストが登場しましたね!

演奏はやはり安定感があり、「さすが」と感じさせるものでした。

マズルカでは独特なリズム感を打ち出し、聴いている側としてはとても楽しませてもらいました。

こうした自由な表現は聴き手には魅力的に映りますが、審査員にはどのように受け取られるのか、少し気になるところでもあります。

正直、前回のショパコン優勝者のブルースリウさんの演奏がありなんだから、全然ありだと思います!(ブルースリウさんの独特なセンスと演奏が大好きです。)

全体を通して終始落ち着き、自分のペースをしっかりと保ちながら音楽を紡いでいたのが印象的でした。

スケルツォは特に素晴らしかった!

また10月の1次予選で演奏を聞かせてもらえることを楽しみにしています^^(予備予選パス確定。笑)

Ingrid Rodrigues Uemura(ブラジル)18:30

2021年 ギオマール・ノヴァエス・ピアノコンクール第1位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
  • エチュード ホ短調 Op.25-5
  • ノクターン第16番 変ホ長調 Op.55-2
  • スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
  • マズルカ 変ロ短調 Op.24-4

お名前に「Uemura」とあるので気になり調べてみたのですが、情報がなくわかりませんでした。(わかんないのかい。)

おそらく日系の方なのですかね?^^

作品に込められた純粋な美しさを静かに届けてくれるような演奏でした。

安定したテクニックと少しユニークな表現が印象に残りました。

Zuzanna Sejbuk(ポーランド)19:30

ダン・タイ・ソン、ヒューバート・ルトコフスキらに師事。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード ヘ長調 Op.10-8
  • エチュード ホ短調 Op.25-5
  • ノクターン第12番 ト長調 Op.37-2
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
  • マズルカ ホ短調 Op.41-1

無理に作り込むことなく、ごく当たり前のようにショパンのマズルカを鳴らしていくその音から、民族としての誇りや土地への深い愛情のようなものが、そっと滲み出ていました。

特にリズムの揺れ方やアクセントの付け方に、不自然さが全くなく、まるで自分の体に染みついているものをそのまま鍵盤に乗せたかのよう。

個人的に素晴らしい解釈だなと感じました。

Efe Sen(トルコ)20:00

2024年 第6回イスタンブール国際ピアノコンクール出場。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
  • エチュード ホ短調 Op.25-5
  • エチュード ハ長調 Op.10-1
  • マズルカ ホ短調 Op.41-1
  • スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31

良い音楽性を持っていらっしゃる方だと感じました。

しっかりと一音一音を歌い上げながらも、音楽全体の流れを止めることなく、自然に、淀みなく紡いでいく演奏がとても印象的。

細部にまで心を配りながらも、表現が過剰になりすぎず、音楽そのものの呼吸を大切にされているのが伝わってきました。

Hanwen Shi(中国)

2023年 フー・ツォン国際協奏曲コンクール第3位。バンクーバー国際音楽コンクール第2位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード 嬰ハ短調 Op.10-4
  • エチュード ロ短調 Op.25-10
  • ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
  • マズルカ イ短調 Op.59-1

昼の部は国際色豊かで、音の色彩もカラフルだったように思います。

この方の演奏も、オーソドックスな中にご自身の色を程よく織り交ぜながら、丁寧に紡いでおられました。

派手さや際立った特徴こそ感じなかったものの、誠実で端正な音楽づくりに好感が持てました。

5日目 夜の部 感想

Chopin Institute

さて、続いては夜の部の感想に行きます!

日本人盛りだくさんです^^♪

重森光太郎(日本)0:00

2022年 ロン=ティボー国際音楽コンクール第4位(2022)。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード ハ長調 Op.10-1
  • エチュード 変イ長調 Op.10-10
  • ノクターン第18番 ホ長調 Op.62-2
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
  • マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3

夜の部一人目は日本から、重森さんの登場です。

現在は桐朋学園大学に在籍しながら、パリの大学院でも学ばれている実力派のピアニスト。

エチュード10-1では、音楽の流れに少し影響しそうなミスがいくつか見受けられ、気になる場面もありましたが、続く10-10ではすぐにリカバリーされ、さすがだなと感じました。

マズルカでは非常に深みのある暖かな音色を聴かせてくださり、素晴らしい演奏でした。

島田隼(日本)0:30

2023年 ジュリアード音楽院プレカレッジ・コンチェルト・コンクール第1位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
  • エチュード 変イ長調 Op.10-10
  • ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
  • スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
  • マズルカ ハ短調 Op.56-3

この日の日本人2人目は島田さん^^

丁寧に音を紡ぎながら、誠実にショパンと向き合っている印象を受けました。

解釈を誇張することなく、自然体で音楽に寄り添うような演奏で、とても耳なじみがよく、聴いていて安心感があります。

余計な演出に走らず、音そのものの美しさで勝負しているような真面目さが感じられ、素直なお人柄までも伝わってくるようでした。

全曲通して紡ぎ出す一音一音の優しさが際立つ、素敵な演奏でしたが、最後のスケルツォ3番が個人的には非常に素晴らしかったと思います。

キラキラ輝く水面のような音色と迫力のあるオクターブの対比が、美しい。

演奏後には「Bravo!」の掛け声も^^

実際、会場にいた方々も納得の演奏だったのでしょう♪

Hyojin Shin(韓国)1:00

2024年 リヨン国際ピアノコンクール第1位。ジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクール セミファイナリスト。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
  • エチュード ホ短調 Op.25-5
  • ノクターン第14番 嬰へ短調 Op.48-2
  • マズルカ 変ニ長調 Op.30-3
  • スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31

全体を通してとても綺麗にまとめられた演奏で、ひとつひとつの音に対する丁寧な姿勢が印象的でした。

音楽の流れが自然で、どこか整然とした美しさがあり、作品に対する深い理解が感じられます。

高いテクニックと豊かな音楽性で楽しませてくれました。

進藤実優(日本)1:30

前回大会セミファイナリスト。2021年 ピティナ・ピアノコンペティション特級 銀賞。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
  • エチュード 変イ長調 Op.10-10
  • ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
  • スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
  • マズルカ ロ長調 Op.56-1

この日の日本人3人目は、待望の進藤さん!

前回のショパコンでも印象深い演奏を披露されていましたが、今回はさらに何倍にもパワーアップしたような印象で、登場を心待ちにしていた甲斐がありました♪

1曲目のノクターンが始まった瞬間から空気が変わり、鳥肌が立つような感動とともに一気に進藤さんの音楽の世界へ引き込まれます。まさに美しいの一言。

スケルツォ2番は、ただ技巧を見せつけるような演奏ではなく、進藤さんの感性と音楽観がしっかりと込められたスケルツォで、非常に印象的でした。

続くマズルカ、エチュード2曲もそれぞれに工夫が凝らされ、音色やニュアンスの変化も豊かで、最後まで耳が離せない素晴らしい演奏でした!

東海林茉奈(日本)2:30

第19回 大阪国際コンクールピアノ部門Age-G 第3位。2024年 ブラームス国際コンクールにてセミファイナル進出。

使用ピアノ:YAMAHA

  • エチュード ヘ長調 Op.10-8
  • エチュード 変イ長調 Op.10-10
  • ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
  • スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
  • マズルカ 変ロ短調 Op.24-4

続いても日本から♪東海林さんの登場です。

進藤さんと同じく2曲目にスケルツォ2番を持ってこられていましたね。

クセのない、非常に素直で聴きやすい演奏。

スケルツォ終盤で少し音を外された場面があり、ご本人も「あっ」という表情をされていたのが画面越しにも伝わりましたが、そこはほんの一瞬のこと。

むしろその後の3曲目では気持ちを切り替えて、音色の美しさが際立つ丁寧な演奏を披露されていたのが印象的でした。

Vitaly Starikov (イスラエル/中立個人参加)3:00

2021年 エリザベート王妃国際音楽コンクール 第5位。2023年 シドニー国際ピアノコンクール 第6位。

使用ピアノ:YAMAHA

  • エチュード イ短調 Op.25-11 「木枯らし」
  • エチュード 嬰ト短調 Op.25-6
  • エチュード 嬰ハ短調 Op.25-7
  • スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
  • マズルカ ハ短調 Op.56-3

独自の音楽性がしっかりと感じられる素晴らしい演奏でした。

軽やかさの中にたっぷりとした抒情性が込められており、一音一音が丁寧に歌い上げられていたのが印象的です。

YAMAHAのまろやかで重厚感のあるピアノとも見事に調和し、あたたかく包み込まれるような音の響きがホールに広がっていました。

チュードは、あえて焦らずゆったりとしたペースで進められており、その分、一音一音がしっかりと歌い上げられていて、作品への深い理解とこだわりが感じられました。

テクニックを誇示するのではなく、音楽として丁寧に紡いでいく姿勢が印象的。

Gabriele Strata(イタリア)3:30

2023年 リオ・デ・ジャネイロ国際ピアノフェスティバル第1位。2024年 モントリオール国際音楽コンクール第2位。

使用ピアノ:Steinway & Sons

  • エチュード 変ト長調 Op.10-5 「黒鍵」
  • エチュード ロ短調 Op.25-10
  • ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
  • スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
  • マズルカ 変ニ長調 Op.30-3

1曲目のノクターンから、豊かな音楽性が存分に感じられる演奏でした。

右手のメロディーが美しく際立ち、左手の伴奏はあくまで控えめに、まるでそっと寄り添うように響いていて、そのバランス感覚がとても心地よい。

音楽の流れも非常に自然で、無理なく次のフレーズへと進んでいくのが印象的です。

続くエチュード25-10では、オクターブでの力強さと厚みのある響きが印象に残り、対照的に10-5では軽やかで機敏なタッチが冴えていましたね。

最後のスケルツォ第3番は、深みのある表現力で締めくくられ、全体を通して非常に完成度の高い素晴らしい演奏だったと思います。

まとめ

5日目は14名の方々が演奏されました。

素晴らしい演奏者に、まずは盛大な拍手を♪

5日目でアガサが気になった方々は、以下の5名です!

  • Hao Rao(中国)
  • 島田隼(日本)
  • 進藤実優(日本)
  • Vitaly Starikov (イスラエル/中立個人参加)
  • Gabriele Strata(イタリア)

さて、次は6日目の感想を記録していきます。

皆さんも一緒に、引き続き予備予選を楽しみましょう♪

目次