
モインモイン!みなさんこんにちは♪
ピアノ大好き主婦で、管理人のアガサです^^
ショパン国際ピアノコンクールの予備予選、3日目が終了しましたので感想を綴っていきます。
前回(予備予選2日目)の感想は以下のリンクよりご覧ください^^


ご覧いただいている皆さんも、配信をご覧いただきながらご自身の感想と照らし合わせながら読んでいただくとまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。
ぜひ、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです^^
予備予選:2025年4月23日(水)〜2025年5月4日(日)
予備予選通過者発表:5月6日(火)17時30分(現地10時30分)配信あり
開会記念コンサート:10月2日(木)
1次予選:10月3日(金)〜10月7日(火)
2次予選:10月9日(木)〜10月12日(日)
3次予選:10月14日(火)〜10月16日(木)
本選:10月18日(土)〜10月20日(月)
上記は全て2025年4月23日時点での情報です。
変更となる場合がありますので必ず以下の公式サイトをご参照ください。


3日目 昼の部 感想
Yanan Liu(中国)17:00
2022年 パデレフスキ国際ピアノコンクール出場。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ハ長調 Op.10-1
- エチュード イ短調 Op.25-4
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
全体的に非常に丁寧で綺麗にまとめられた演奏という印象。
ひとつひとつの音に気を配っていらっしゃるのが伝わってきましたが、個人的にはややもたついて聞こえる瞬間もあったように感じました。
じっくりと取り組まれている姿勢が伝わってきました。
Ziyu Liu(中国)17:30
2019年 ヴィオッティ国際音楽コンクール第1位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
- エチュード ハ長調 Op.10-1
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
1曲目のノクターンから一気に引き込まれました。
音の深みがあり、空間にふわっと広がるような響きに思わず聴き入ってしまいます。
奥行きのある音楽づくりが印象的で、全体を通して安定感のある素晴らしい演奏だったと思います。
中でもマズルカのリズムの取り方が絶妙で、自然な揺れと軽やかさがとても心地よく、個人的にはとても好印象。
音楽の中でしっかりと呼吸しているような、そんな感覚を味わわせてくれる演奏で素晴らしかったです!
Jiaqing Luo(中国)18:00
ダン・タイ・ソンに師事。2022年 第8回仙台国際音楽コンクール ピアノ部門 第1位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード ハ長調 Op.10-7
- ノクターン第14番 嬰ヘ短調 Op.48-2
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
2曲目のエチュード Op.10-7 はかなり速めのテンポ設定で、その勢いゆえに少し音が乱れる瞬間もあったのが惜しかったところ。
勢いに任せたというよりは、独自の音楽性を保ちながら攻めようとしていたのだとは思いますが、やや整いきらなかった印象です。
とはいえ、音楽に対する個性的な感性や方向性はしっかりと感じられる方で、他の曲の演奏も聞いてみたいなと思わせてくれる方でした。
Zheng Luo(中国)18:30
情報がありませんでした;;
使用ピアノ:Steinway & Sons
- マズルカ ロ長調 Op.56-1
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- エチュード ハ長調 Op.10-1
- ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
スタイリッシュで洗練された印象の演奏スタイル。
かなり後傾姿勢で演奏されている姿がユニークでした。
外側のフォルムは美しく整っているのですが、もう一歩踏み込んだ内面からの深みや個性という点ではやや物足りなさを感じてしまいました。
全体的にはそつなくまとまっているものの、個人的には聴いていて心に残る何かがもう少し欲しいと感じる部分も。
Tianyao Lyu(中国)19:30
2024年 エトリンゲン国際ピアノコンクールAグループ(15歳以下)第1位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- ノクターン第17番 ロ長調 Op.62-1
- マズルカ 嬰ヘ短調 Op.59-3
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
落ち着きのある佇まいと安定したタッチに、思わず「本当に16歳?」と驚かされました。
年齢に似合わぬ表現の深さがあり、どの曲も丁寧に音楽を紡いでいく姿がとても印象的。
無理に自分を大きく見せることなく、自然体で音楽と向き合っているように感じられ、その姿勢にも惹かれました。
若さゆえの勢いだけでなく、しっかりと内面から音楽を築いている、そんな演奏でした。
Zhiqian Lyu(中国)20:00
2023年 ナッシュビル国際ショパンピアノコンクール 若い音楽家IIカテゴリー金賞。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ハ長調 Op.10-1
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
なんと次のこの方も16歳・・・!驚きを隠せません。
音色の選び方やフレージングのセンスに、若さとは裏腹な成熟した音楽性を感じました。
緊張するであろうこの大舞台でも、のびのびと音楽を奏でていたのがとても印象的。
やっぱり中国勢、層の厚さに圧倒されますね。
Julia Łozowska(ポーランド)20:30
2018年 ショパン国際ピアノコンクール in ブダペスト第2位。第5回 ショパン・ローレル国際音楽祭 第1位。前回も出場。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 嬰ハ短調 Op.25-7
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- エチュード イ短調 Op.25-11「木枯らし」
- マズルカ 嬰ハ短調 Op.30-4
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
美しい音を奏でる方で、特に深く響く音の鳴らし方がとても印象的でした。
音の芯がしっかりしていて、ひとつひとつのフレーズに重みがあり、自然と耳が引き寄せられる。
演奏も非常に落ち着いていて、どの曲もじっくりと丁寧に向き合っているのが伝わってきました。
素晴らしかったと思います。
3日目 夜の部 感想
さて、続いては夜の部の感想に行きます!
Tiankun Ma(中国)0:00
2025年 ロン=ティボー国際ピアノコンクール 第4位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ヘ長調 Op.10-8
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
しっかりとご自身の世界観を持っていらっしゃったのが印象的でした。
派手さや誇張はなく、あくまでも真摯に音楽と向き合う姿勢が感じられる、誠実な演奏だったと思います。
細部まで丁寧に作り込まれた音楽で、真面目さの中にもしっかりと個性が光っていました。
Megumi Maekawa 前川愛実(日本/アメリカ)0:30
2022年 ショパン国際ピアノコンクール in Asia高校生部門 金賞。2024年 桐朋学園コンチェルトコンペティション第1位。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード イ短調 Op.25-11「木枯らし」
- エチュード 変イ長調 Op.10-10
- ノクターン第16番 変ホ長調 Op.55-2
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
- マズルカ イ短調 Op.59-1
さぁ、日本から前川さんの登場です♪
品格と高貴さが自然と滲み出るような佇まいと演奏で、とても好感が持てました。
どの曲も丁寧にまとめられていて、無理に目立とうとせず、あくまで作品の美しさを大切にしていたように感じます。
他の演奏者の方々の個性が濃いのもあり、比べると突出して際立った個性があるという風には感じられませんでしたがその分、安定感と誠実さのある演奏でした。
Anastasiya Magamedova(アメリカ/タジキスタン)1:00
スクリャービン国際コンクール(パリ)第1位。アルスクラシカ国際コンクール 第2位。
使用ピアノ:YAMAHA
- スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
- ノクターン第16番 変ホ長調 Op.55-2
- マズルカ 嬰ハ短調 Op.30-4
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- エチュード イ短調 Op.25-11「木枯らし」
ヤマハのピアノに変わってから響きが変わって、ご本人の音楽ともうまく調和していたように思います。
奏でる音も丁寧で、繊細で美しい部分も非常に多い印象。
ただ、演奏スタイルとしては体全体でエネルギーを放つというよりも、腕だけで音楽を進めていくタイプのように見えました。
そのぶん音の深みや厚みに物足りなさを感じる瞬間もありましたが・・・、細部までよく考えられた構築力は十分に伝わってきました。
Iskandarkhon Mamadaliev(ウズベキスタン)1:30
2023年 ペーター・タカーチ・ベートーヴェン賞ピアノ部門優勝。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- マズルカ ロ短調 Op.33-4
- エチュード ハ長調 Op.10-1
- エチュード イ短調 Op.25-4
- ノクターン第14番 嬰ヘ短調 Op.48-2
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
いろいろな音色を巧みに操るテクニックが印象的で、音のコントラストやニュアンスの幅がとても豊か。
全体を通してしっかりとコントロールされていて、安心して聴いていられる演奏でした。
音楽に対する細やかな感性と技術のバランスが良く、聴き応えがありましたね。
Xuanyi Mao(中国)2:30
2023年 チャイコフスキー国際コンクール 第4位。前回も出場。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ハ短調 Op.10-12「革命」
- エチュード イ短調 Op.10-2
- ノクターン第14番 嬰ヘ短調 Op.48-2
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
- マズルカ イ短調 Op.59-1
ノクターンではかなり音量を抑えて演奏されていたので、実際の会場でどのように響いていたのか、とても気になりますね。
その繊細さとは対照的に、スケルツォなどではむしろ荒々しいほどの力強さを感じる場面もあり、その振れ幅の大きさが彼の個性として強く印象に残りました。
音楽の場面ごとのキャラクターをしっかり描き分けていて、ギャップがとても魅力的でした。
Gregory Martin(アメリカ)3:00
チャイコフスキー国際若手音楽家コンクール受賞、メトロポリタン国際ピアノコンクール受賞、リリアン・フックス室内楽コンクール優勝。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード 変ホ短調 Op.10-6
- エチュード 変ト長調 Op.10-5
- エチュード イ短調 Op.25-4
- マズルカ ホ短調 Op.41-1
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
安定感のある演奏で、全体的にバランスが良く素晴らしかったです。
エチュード10-6での両手のばらつきが気になる瞬間がありました。
もちろん意図的にそうされている可能性もあるのですが、もしそうでないなら少し不安定に聞こえてしまったかな、と。
マズルカは一つの物語を丁寧に語るような演奏で、聴いているこちらも自然と引き込まれる演奏でした。
表情のつけ方や間の取り方も絶妙で、印象に残る演奏でした。
Ruben Micieli(イタリア)3:30
2021年 マリア・カナルス国際音楽コンクール 最優秀イタリア賞。
使用ピアノ:Steinway & Sons
- エチュード ハ短調 Op.10-12「革命」
- エチュード ホ短調 Op.25-5
- ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
- マズルカ 変ロ短調 Op.24-4
登場した瞬間から「あ、イタリアの方だ…!」と納得してしまった首元のワイシャツ!(笑)
3日目のラストを飾るにふさわしく、演奏もとても印象的でしたね。
大胆でユニーク、でも決して型から外れるわけではなく、自由さと秩序のバランスが絶妙でした。
特にマズルカのリズムの扱い方が面白くて、独自の世界観がしっかり伝わってくる演奏。
音楽を心から楽しんでいる様子がこちらにも伝わってきて、聴いていてとてもワクワクしました。
まとめ
3日目は14名の方々が演奏されました。
素晴らしい演奏者に、まずは盛大な拍手を♪
3日目でアガサが気になった方々は、以下の3名です!
- Ziyu Liu(中国)
- Tianyao Lyu(中国)
- Julia Łozowska(ポーランド)
さて、次は4日目の感想を記録していきます。
皆さんも一緒に、引き続き予備予選を楽しみましょう♪