モインモイン!皆さんこんにちは♪
ピアノ大好き主婦のアガサです^^
現在は製造されていないメーカーも含めると世界ではかなりの数のピアノメーカー(ブランド)が存在していますが、今回は“世界3大ピアノ”について取り上げます。
“世界3大ピアノ”とは、多くの音楽家たちに深く信頼され現在でも広く知られているピアノメーカー以下の3社をまとめた総称のことです。
- STEINWAY&SONS(スタインウェイ&サンズ)
- Bosendorfer(ベーゼンドルファー)
- C.BECHSTEIN(ベヒシュタイン)
ピアノを嗜んでいる方ならば、これらのメーカーは1度は聴いたことがあると思います。
どのメーカーも、ピアノの世界最高峰ブランドと言われており現在もたくさんのピアノ使用者から愛されています。
この世界3大ピアノメーカーの違いを比較し、それぞれの特徴や愛用しているピアニストも合わせてご紹介していきたいと思います。
世界3大ピアノメーカーの比較
上の図が世界3大ピアノの比較表です。
スタインウェイのみアメリカで生まれ、後の2つはヨーロッパで生まれていることが分かりますね。
1番の老舗はベーゼンドルファー。
3社とも一般家庭ではなかなか手が出ない価格帯のものばかりですが、ベヒシュタインはシリーズがいくつかに分かれており値段の幅もかなりあります。
では、以下でそれぞれのメーカーの歴史、設計の特色や愛用していた(している)音楽家も併せてご紹介していきますね!
STEINWAY&SONS(スタインウェイ&サンズ)
まずご紹介するのが、今や世界中のコンサート・リサイタルやコンクールなどで必ずといっていいほど使用されている、“スタインウェイ”です!
楽器店で試弾をさせてもらったことがあるけど、明らかに国産ピアノとはタッチ、音色、響きが違って本当に感動したな〜。
目がとってもキラキラしてたもんね(笑)
滑らかで弾きやすい鍵盤と、ダイナミックな響き、透明感のある音色はスタインウェイならではなんだよね♪
そりゃ目もキラキラしちゃうよ!(笑)
歴史
1820年代にドイツ人ピアノ製作者の”ハインリッヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェーク”という人物が第1号となるピアノを製作しました。
そして、アメリカへ移住した際に英語風のヘンリー・スタインウェイへと改名し、1853年に”スタインウェイ・アンド・サンズ”をNYに設立。
その後、創設者のヘンリーは30年ほど息子たちとピアノ開発をし続け、弟子たちへ技術を受け継ぎ今日まで発展してきたのです。
設計の特色
元々は、産業革命で豊かになったアメリカ市民が多く利用していた“音響設備が不十分な多目的ホール”での使用を念頭において、設計をしていました。
そのため、今では常識となっている「音響工学」というものを設計に初めて取り入れたことでも有名なのです!
弦の振動をピアノ全体に分散し響かせる設計なので、楽器全体から豊かな音を出すことができ、特に響きが重要な大ホールでも充分な量のきらびやかな音を響かせることが可能です。
整調や整音により幅広い音色を持たせられるため、クラシックに限らず、幅広いジャンルに対応でき、多くのホールや録音スタジオで採用されています。
調律が安定し寿命も長く、古くなった楽器でも修理することで演奏可能な状態に再生することができるのも、スタインウェイのピアノの特色の1つです。
音色やタッチ
スタインウェイの音色は、とにかく濁りがなく明るく華やかです。
高音域はキラキラしていて繊細で豊かで、中・低音域は弾き方一つで繊細にも、ダイナミックにもなる、まさに万能ピアノ!
タッチが非常に軽やかなので、ピアニストの微妙なニュアンスも忠実に表現することができます。
まさに他にはない、最高峰のピアノなのです。
愛用していた(している)音楽家
- セルゲイ・ラフマニノフ
- ウラディミール・ホロヴィッツ
- ジョージ・ガーシュウィン
- エフゲニー・キーシン
- ラン・ラン
使用しているアーティストが錚々たる面々すぎて引いちゃうくらいだわ!
やっぱり、ピアニストはみんなスタインウェイを使用しているイメージだな〜。
スタインウェイには、「スタインウェイ・アーティスト」と呼ばれるスタインウェイピアノを所有し、尚且つ世界各地のステージでもスタインウェイを選んで演奏するアーティストがいます。
その数は、1300名を超えるそう。
世界中でたくさんのピアニストや音楽家がスタインウェイを愛し、弾き続けているんですね。
ロシアの作曲家でピアニストのラフマニノフが、スタインウェイのピアノを「全てにおいて完璧です」といったこともよく知られています♪
Bosendorfer(ベーゼンドルファー)
続いては、老舗のメーカー“ベーゼンドルファー”です。
実は、ベーゼンドルファーの親会社は、日本の”ヤマハ”であることをみなさんご存知でしたか?
経営難が続いているところを、ヤマハが買収したことでヤマハの子会社となったのです。
以下の歴史で詳しく解説します。
歴史
1828年、オーストリアのウィーンで”イグナーツ・ベーゼンドルファー”が、師匠の工房を引き継ぐ形で創業しました。
創業当初はフォルテピアノを製造していましたが、ピアノの変革期を経て19世紀末に現在のモデルの原型が誕生したのです。
各国の皇室や王室の御用達ということで選定されたり、産業博覧会で入賞するなど名声を高めていきましたが、第2次世界大戦後に経営難になったことで経営権が二転三転し、なかなか経営が安定しない時代がありました。
最終的には、日本のヤマハが2008年に買収し、完全にヤマハの子会社となりました。
ヤマハは、買収後も現地の生産体制や雇用を保証しているので、ベーゼンドルファーが守り抜いてきたウィーンの音や伝統文化は未だ守られています。
あくまでも資本的にヤマハの傘下に入った、ということですね♪
設計の特色
「インペリアル」と呼ばれる最上位機種のフルコンサートグランドピアノ「モデル290」がベーゼンドルファーの代表機種で、最低音の鍵盤の数が一般のグランドに比べると9鍵も多くなっていることで有名です。
他にはない、ベーゼンドルファーの特徴です!
ピアノにはスプルース材が80%以上の割合で使用されており響板だけでなく、ボディ全体でピアノの音を生み出すことができるようになっています。
そして、ベーゼンドルファーのピアノは1年以上もの月日をかけて全肯定手作業で作られているそうです。
そのため、生産台数が他のメーカーに比べると非常に少なくなっています。
外装は、自分好みの仕上げを選ぶことも出来るそうです。(ウォルナットやマホガニーなどの木材を変更できます)
音色
音色は“至福の音色”と呼ばれるほど重厚で品があって、音の奥行きをとても感じられます。
どの音域を弾いても非常にまとまりがあって、曲の楽器全体が共鳴して音楽を作り出している、そんな感覚になるピアノです。
有名なピアニストで作曲家のフランツ・リストの激しい演奏にも耐え抜いたと言われるほどのピアノなだけあって、弾きごたえのあるタッチ感になっています。
愛用していた(している)音楽家
- オスカー・ピーターソン
- 久元祐子
- アンドラーシュ・シフ
- パウル・パドゥラ=スコダ
- ヴィルヘルム・バックハウス
ベーゼンドルファーはドイツの老舗なだけあり、ファンから根強い人気があります。
クラシックだけに留まらず、ジャズ界ではヴィルヘルム・バックハウスが「ベーゼン弾き」と呼ばれる手法を持つなど、非常に多方面でベーゼンドルファーのピアノが活躍しています。
1980年まで、ショパン国際ピアノコンクールの公式ピアノの一つでもありました。
オーストリアで開催されている、ウィーン国際ベートーヴェンピアノコンクールでは使用ピアノはベーゼンドルファーのピアノのみと定められています。
C.BECHSTEIN(ベヒシュタイン)
最後は、ドイツ生まれのピアノメーカー“ベヒシュタイン”です。
余談ですが、我が家のグランドピアノはベヒシュタインセカンドブランドの”ホフマン”です♪
娘のピアノの先生はベヒシュタインでレッスンしてくれるから我が家にとっては馴染みのあるメーカーだよね。
そうそう!
一般家庭でも手の届く範囲の値段設定のピアノもあるから身近に感じる方も多いと思う♪
歴史
1853年に、”カール・ベヒシュタイン”によってドイツのベルリンで創業しました。
後ほど詳細を記しますが、創業当初から音楽家たちに高い評価を受けていたようで、王室御用達となるほどでした。
世界恐慌や第2次世界大戦の影響を受け、ピアノの設計図や職人たちまでもが喪失してしまう災難がありましたが、東西ドイツの統一を機に本来のベヒシュタインの形を取り戻しました。
ドイツのツィンマーマンとホフマンを傘下に収め、ベヒシュタイングループを設立するまでに至ったのです。
設計の特色
ベヒシュタインのピアノは“響板が音色を作り出す”という哲学のもと、頑丈な鉄骨フレームや高いテンションの弦などに拘っています。
弦の振動を鉄骨フレームにあまり響かせずに、透明度の高い音色を実現することが出来ます。
また音の立ち上がりが早く、音響効果の高いホールでの使用を念頭において設計されているそうです。
音色
ベヒシュタインのピアノは、非常に繊細で暖かく包み込まれるような音色で、色彩豊かです。
低音部の重厚感、高音部のキラキラ音まで巧みに音色が変化するので演奏者のテクニックにより、音色がかなり変わります。
タッチは演奏者の打鍵に瞬時に反応するので、国産のヤマハやカワイに比べ非常に軽く浅いです。
愛用していた(している)音楽家
- フランツ・リスト
- クロード・ドビュッシー
- ハンス・フォン・ピューロー
- チック・コリア
- セシル・テイラー
ハンス・フォン・ピューローは「ベヒシュタインピアノはピアニストにとって、ストラディヴァリウスやアマティのようなもの」と評価していたほどです。
上項でも登場した、リストの演奏にも耐えられて、更に繊細な演奏にも対応できるピアノをベヒシュタインが開発したことでも有名です。
当時から有名なピアノメーカー2社が健闘するほど、リストの演奏は激しかったんですね・・・(笑)
昔の技術でそれを叶えられたと言うのがすごくて驚きだよ。
そのリストが、「28年間貴社のピアノを弾き続けてきたが、ベヒシュタインはいつでも最高の楽器だった」と言ったほど。
同じく作曲家のドビュッシーは「ピアノ音楽はベヒシュタインのためだけに書かれるべきだ」という言葉も残しています。
まとめ
今回は、世界3大ピアノについて取り上げてみました。
なかなか普段弾く機会がない3社ですが、中でもスタインウェイはホールで主に採用されているので、発表会などで弾いたことがある人も多いかもしれません。
個人的には3社の中で1番欲しいピアノはやはりスタインウェイです!
タッチや音色、音色や音の奥行きなど・・・全てにおいて完璧だと思うからです。
音色に暖かな安心感があり、なおかつタッチも軽く弾きやすいベヒシュタイン。
とにかく重厚で、気品あふれるベーゼンドルファー。
3社3用で、どのピアノにもそれぞれの良さがあります。
もし楽器店などに行く機会があれば、ぜひ弾き比べてみてくださいね♪
たくさんの音色を弾いて、体全身で音色を浴びてみるとピアノへの愛が更に広がっていくはずです。
最後までご覧いただきありがとうございました!